人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

図書館のサイトに登録してみた

図書館を最大限に利用するために

 先日の朝日新聞の土曜版に、『図書館を使っていますか?』というアンケートが載っていた。それを見て驚いた、なんと65%の人が「はい」と答えていたからだ。私にとっては、図書館なんて、こう言っては失礼だが、使いたいと願ってみたところで実際は使えない場所だった。何といっても自分の読みたい本がいくつもの棚を回ってみても見つからないのだから。目を皿のようにして、書名を見て歩いたのにもかかわらず、さっぱり好みの本に出会えず、疲労困憊してしまった。図書館なんて来るべきではなかったと大いに嘆いた。だが、このアンケートに関する記事を読んで見ると、それが大きな間違いだったことに気づいた。おそらく、私にとって魅力的に見える本は誰もが見られる書棚にはなく、別の場所、つまり貸し出しのスタッフがいる奥にある書架に置いてあるのだとわかった。

 要するに、図書館を日常的に利用する人のほとんどが、アンケートでは61%の人がネット予約をしていた。新刊などは特にそうで、何もしなければ永遠に手に取ることもできないのだ。もっとも新刊は人気があるので、そうたやすくは読むことができないようで、じっと我慢して年単位で待つことになるという。まあ、気が短い私などはいつになるかわからない順番を”果報は寝て待て”とばかりに待つなんてことはできないので、本当に読みたかったら、書店で買ってしまう。だが、たいして興味はないが、それでも芥川賞直木賞をとったからとかで、一応は読んでみた方がいいのではとか、何かの時の話の種にでもなるのではないかと良からぬことを思ってしまうような本をどうしようかと考えると、現実的にすべて買って読むことは難しい。それに実際買ってみると、自分が想像していたのと違っていて、幻滅することも多々あった。

 なので、それならいつになるかは分からないが、それにたいして期待もしていないので、いつでもいいと考えるのなら、図書館のネット予約を利用しない手はないと考えた。ネット予約のための利用者登録は図書カードの利用者番号と氏名を入力し、パスワードを設定するだけで簡単に出来た。さらにe-mailアドレスと本の受け取り場所を登録すれば、予約した本の準備ができ次第、図書館から連絡が貰えるというからとても便利だ。また、借りている本の期間延長をしたい場合も、わざわざ図書館に足を運ばなくても、利用者照会の画面の「期間延長」のアイコンをクリックするだけで済ませることができる。

 ちなみに私も新刊の予約をしようと、サイトの「新刊資料を探す」をクリックしてみた。ジャンルを文学にして検索してみると、ざっと50冊もの本のタイトルが表示されたが、その中に2022年の直木賞を受賞した千早茜さんの『しろがねの葉』もあった。予約回数を見て仰天した、なんと2百十幾つで天文学的な数字だ。ざっと計算してみると、本は普通2週間借りられるので、となると一年で24回だから、よく考えてみたら、一瞬気が遠くなった。いったいいつになったら回ってくるのか見当もつかないが、一応予約を入れて置くことにする。きっと後から予約を取り消すと思うがひとまずは・・・。

 それでも、ほとんどが「貸出中」と表示されている新刊の中にも、人気のない本はたまにはあって、それがちょうど私が面白そうだなあと思った本だった。それは翻訳本でエチオピアの作家マザマ・メンギステの『影の王』、聞いたことがない名前の作家だが、その内容に興味を持った。それは「1935年、ムッソリーニ率いるイタリアのエチオピア侵攻が噂されるとある国の皇帝はさっさと亡命してしまう。そのため兵士たちを鼓舞するため、皇帝そっくりな男が皇帝の振りをする」というものだ。その皇帝の護衛についた孤児の少女ヒルトの目を通して物語は描かれるようだ。

 さて、貸出中ではない本を予約してみたが、本当に図書館から連絡が来るかどうかが楽しみで仕方がない。実を言うと、以前話題になった和田竜さんの『村上海賊の娘』もネットで検索したらあったので、予約しようとした。だが、不思議なことに貸出中でもないのに「予約はできません」と断られてしまった。まだまだネット予約初心者の私にとっては分からないことばかりだ。図書館を最大限に利用するにはかなりの修業が必要だとあらためて感じる今日この頃である。

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