人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

韓国ドラマ『嘘の嘘』

これからの展開が楽しみ

 中国の動画配信サイトのアイチーイーからやっと抜けられた。自分ではすでに昨年の12月で解約したつもりだったのに、そうではなかったとわかったときは愕然とした。先日銀行口座から引き落としがないことを確認してほっと胸を撫でおろした。実を言うと、解約したら、すぐにフジテレビ系列の動画サービスのFODに入ろうと思っていた。見たいドラマがあったからで、それは年末年始に実家に帰省した時にBSでやっていた『大秦帝国』だった。家に戻ってからネットで検索してみたら、FODで配信されていると知った。すぐに入るはずだったが、アイチーイーのことが気になってできなかった。

 そうしているうちに、民放でもいくつかの韓国ドラマが始まって、今はそれを見ている。週に2回の放送だが、録画してまとめて見る私には十分だ。そのなかでも、今注目しているのは『嘘の嘘』で、いったい”うそのうそ”とは何なのかという素朴な疑問が浮かんでくる。”うそのうそ”とは翻っていえば、本当のことであり、真実だとも言える。ドラマのヒロインはイ・ユリさんで、彼女は”愛憎劇の女王”と呼ばれているそうだ。優しい顔立ちで、スラリとした立ち姿からは、愛憎に塗れた、なりふり構わぬ女性のイメージは湧いてこない。このドラマの主人公のチ・ウンスは副社長夫人で皆がうらやむような存在だったが、ある日突然、夫殺しの罪を着せられて、刑務所に送られる。ウンスはその時妊娠していて、ドラマは復讐劇というよりも、その時お腹にいた子供を中心に展開する。

 普通は刑期を終えて出てきてまずやるべきことは、自分を陥れた者たちへの復讐と決まっているが、それよりも、ウンスの場合は子どもだった。生きがいとも言える子供と引き離されたウンスは、子供の居場所を必死で探す。死んだと聞かされた子供が生きていると知ったときのウンスの喜びは到底言葉では表現できない。自分は受刑者だから、子供に面と向かって、自分が本当の母親だと名乗ることは許されない。今は何処かの裕福な家庭に引き取られ、幸せに暮らす子供を一目見ようとするが、ひと目だけでは満足できるはずもない。ウンスは遠くから子供を見守ろうとする。こう書くと聞こえはいいが、要するにストーカーである。

 子供の名前はウジュで子役の女の子はとてもかわいい子だ。父親は新聞記者で、演じているのはヨン・ジョンフンさんで、以前別のドラマでとても好感が持てた俳優だった。正直言って、私はどろどろの愛憎劇は苦手だが、ジョンフンさんが出ているなら見てみるかと考え直した。どろどろの渦中に爽やかな風のようなジョンフンさんが巻き込まれたらどうなるのかも気になって仕方なかったから。

 生みの親なら自分の子供が別の家庭で育てられていると知ったら、取り戻したいと思うのが普通だ。だが、ウンスは違った。子どもに母親が元受刑者だという重荷を背負わせたくないと考えた挙句、父親の女になってもいいと決心する。つまり、父親が離婚して独り身なのを良いことに、父親を誘惑し、上手いこと立ち回って子供の母親に収まろうと企む。化粧品会社に勤めていたウンスは美術の才能に恵まれていて、その才能は娘にも受け継がれていた。絵の先生として娘に近づき、完全に娘を自分のとりこにしたウンスの標的はその父親だった。ここから、ウンスは獲物を狙う黒ヒョウのごとくしなやかに変身する。

 はた目から見たら、嫌らしいほどの、わざとらしさで父親を翻弄する。くもの巣を張って獲物を狙っている毒クモのごとく、虎視眈々とその機会を待っていたのだが、予期せぬ邪魔が入る。離婚した母親が突然ウンスの前に現れ、「いずれ元のさやに収まるつもり」だとウンスをけん制してきたのだ。焦ったウンスはまだその気になっていない父親に「好きです」などと告白してしまう。過去に妻に浮気され、今も心に傷を負う父親にとってその告白は逆効果だったようだ。どう見てもウンスの言動は時期尚早だった。さて、これからどうなるのか、来週の放送が楽しみだ。

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