人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

ルーブル美術館で買ったTシャツ

今週のお題「お気に入りのTシャツ」

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▲2年前にルーブル美術館で買ったTシャツ。今思うと、初めてルーブル行った記念に1枚ぐらい買っておけばよかった。当時はそこまで考えが及ばなかったし、コロナ禍の今だからこそ実感できるのですが。

フランス人は暑さなど気にしない?

 初めてフランスに行ったのはもう15年ぐらい前で、歴史的ともいえる猛暑の夏休みでした。シャルルドゴール空港に着いた後、パリの中心部に行くためにロワシーバスに乗りました。バスに乗ってびっくり、窓は全開で冷房などなく、しかも信じられないほど揺れまくるのです。道がデコボコ、ではなくてバスがガタが来ているのか、それとも運転が荒いのか。そんなことはどうでもいいけど、とにかく早く着いて欲しいと願うばかりでした。激しい揺れのおかげか、一緒に行った友達は車酔いしてしまい、しばらく動けませんでした。冷房に慣れてしまった私たちは、さっそくフランス流の洗礼をうけてしまったのです。

 バスがこの有様なのですから、パリの街中も例外ではありませんでした。フランス人がいくらお日様が好きでも、こんな炎天下の中にまさかね、と思ったら、テラス席は満席でした。ちゃんと「エアコン効いてます」という張り紙があるのに、店の中はガラガラなのです。暑さなど気にすることなくおしゃべりに熱中する彼らを見ていたら、自分たちの弱さが恥ずかしくなってしまいました。しかし、冷房に慣れた身体をどうすることもできなくて、ホテルでも暑さで一睡もできずにイライラしていました。部屋に唯一ある小さな窓からすこしは風でも入って来やしないかと期待するのが精一杯でした。祈るように朝が来るのを待ち、スーパーに走って行ってオレンジジュースや水を買いました。お金を払うとすぐに、その場で我慢できずに喉の渇きを癒しました。遠い記憶なのに、今でもあの時の幸せな気分を思い出してしまうのです。なりふり構わずの行動とは、まさにあの時のようなことをいうのだと苦笑するしかありません。考えてみると、それは日本では絶対経験できないフランスならではの貴重な体験だと言えるのです。なぜなら、日本には最強の文明の利器である、飲み物の自動販売機があちこちにあるからです。

 

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 ガラスのピラミッドにワクワク

 記録的な猛暑に耐え切れずに心が折れそうな私たちを救ってくれたのはルーブル美術館のガラスのピラミッドです。雑誌やテレビの番組でさんざん見てきたのに「百聞は一見に如かず」で本物は素晴らしかったです。いつ行っても「パリに来た」ことを実感させてくれてワクワクさせてくれる私にとってはパリの象徴みたいなものです。当時はみんな猛暑にうんざりしていたのか、なんとあの噴水に足を突っ込んで涼んでいました。それがひとりや二人ではなかったので、だれもその行為を非難する人はいませんでした。実はこのとき「暑さに殺られているのは私たちだけではない」とわかって少しホッとしたのです。暑さで顔を歪めながら噴水の周りに引き寄せられた人たちが、次に噴水をプールにしたかどうかはもう覚えていないません。

 ルーブルで最も印象的だったのは、ルーブルの顔ともいわれる、あのご婦人「モナリザ」が意外と小粒だったことです。是非とも見なければと思って館内を進んでいくと、すごい人だかりが見えました。その方向に視線をやるとガラスの中に小さめの絵画が入っていて、それがモナリザでした。みんなが食い入るように見つめているので前に進むことができず、その時は遠目にチラッと見ただけで終わりました。あれから何度も見ていますが、もし美術の教科書で出会ったモナリザしか知らなかったら、その人にとってのモナリザはそういうイメージなのです。だから本物に触れるということは大事なことなのだとつくづく思うのです。

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