人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

サンセバスティアンを思い出すTシャツ

今週のお題「お気に入りのTシャツ」

f:id:mikonacolon:20200731232905j:plain

▲美食の街サンセバスチャンにある水族館で買ったイルカのTシャツ。おかげで思い出に耽るといつでも現地に行けてしまいます。

食べ物に惹かれ行ってみた街

 ある時、知人がスペインにツアーで旅行に行ってきたのです。まだスペインに行ったことがなかった私はどんな楽しい話が聞けるのかとワクワクしていました。ところが話を聞いてみると、荷物は置き引きされそうになるし、食べ物は美味しくないし、と散々な目にあったようなのです。それでも興味津々で、美味しいものは何かないのかと尋ねると、「あの国には美味しいものはないわね!」と嘆くのです。それでネットで検索してみたら、スペインには「タパス」という美味しいものがあると知りました。「タパス」とは薄く切ったフランスパンにいろいろな具材がのせてあって、ビールのお供にピッタリなのです。この「タパス」をバスク地方サンセバスティアンではこの地方ならではの呼び方で「ピンチョス」と言います。ここでの「タパス」の素晴らしさは都会よりもはるかに値段が安く素材の質がいいことです。街が海に面していることからタラが美味しいし、ツナのサラダを詰めたパプリカの柔らかさは格別です。

 何度もバル街に通って一番驚いたことは、なんとある日本人旅行者の行動なのです。私があるバルでピンチョスを食べていると、ある初老の男性とガイドと思われる女性が店に入ってきました。ガイドはすぐにカウンターに行って、ピンチョスを手あたり次第お皿にのせていきます。そしてお皿に2つ分の山盛りのピンチョスを持って来て、初老の男性の待つテーブルに置きました。男性はさっそくピンチョスを食べ始めたのですがすぐにガイドが「申し訳ないのですが、時間がないので店を出なければなりません!」と言ってのけたのです。どうなることかとハラハラして見ていたら、男性はガイドの言葉に素直に従ってすぐに食べかけのピンチョスを皿に戻しました。意外にも二人の間に諍いが起きることはありませんでした。二人が去った後、残された山盛りの皿を何事もなかったかのように、テキパキと片付けていた店員さんの姿が印象的だったのを覚えています。見事にその人は顔色ひとつ変えずに自分の仕事をしていたのです。

f:id:mikonacolon:20200801084106j:plain

▲ピンチョスと生ビールで8ユーロほどなのでバルセロナと比べると安くて美味しい。

Tシャツは最高のお土産だと思う

 いつからか、旅行に行くとお土産にはTシャツを買うのが習慣になってしまいました。確かにお土産は貰った時は喜ばれますが、だんだんと時がたつにつれて不要なものになると思うのです。処分したいと思っても少しだけ胸の痛みを感じて後ろめたい気持ちになってしまうことだってあります。だからお土産には普段から使える物、いくらあっても困らないものがいいのではと考えたら、Tシャツしか思い浮かびませんでした。冒頭の写真のTシャツは水族館のショップで買った控えめなデザインで、友人には色違いの白をプレゼントしました。イルカのデザインなのですが、残念ながらイルカのショーが見られるわけではないのです。海が目の前にあるのにイルカがいないのは人があまり来ないことと関係しているのかもしれません。事実、美食の街として有名で大勢の人がやって来るのに、彼らは目的を果たしたらすぐに帰ってしまうのです。また、サンセバスティアンは毎年9月に映画祭があって大勢のセレブがやって来ることでも有名です。ただ私が行くのはいつも10月なのでそんな華やかさとは無縁です。日中は人がいないのに夕方になると、どこからか地元の人たちが大勢集まってきて、海沿いにあるベンチでおしゃべりします。静かに海を眺めているだけの人たちもいて、ここが世間で言われている高級リゾート地なのを忘れてしまいます。

mikonacolon