人生は旅

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隕石の鑑定結果に驚愕

隕石を売って、世界一周旅行の資金に

 昨日、久しぶりに以前よく見ていた、テレビ番組『なんでも鑑定団』を見た。この番組にはたいてい、絵画と壺とか、掛け軸等と言った骨とう品が持ち込まれるが、昨日は違った。なんと、それは隕石で、未知の広大な宇宙空間に思いをはせて、暫し現実を忘れさせてくれるような”お宝”だった。それでも、よく見ると、なんだか奇妙な形をしたどす黒い岩のようなもので、見た目には軽そうだが、依頼主の男性によると、20kgもあると言うから仰天した。そんな類の個性的な形状の隕石が5個、さらに、隕石を磨いて、模様を浮き立たせた平面状や球体、円錐の形のものが5個、と合計10個の隕石がスタジオに披露されていた。

 男性によると、この隕石はすべて、皆にアフリカに落下したギベオン隕石というのだそうだ。彼はこれら10個の隕石を海外旅行に行く度に買って収集していた。なぜ、お土産に隕石を買うのかという質問には、初めて見た瞬間にその魅力に取りつかれてしまったと言う。彼は現在80歳だが、60歳で引退するまで、国際線のパイロットをしていた。ある日のフライトのあと、街でふらっと入った土産物店で、隕石を一目見たのが、運命の出会いだった。そんな大事なコレクションを、どうして手放そうとしているのかと言うと、世界一周旅行の資金の捻出のためだった。

 最初の映像は、自宅のリビングで、妻と二人で旅行のパンフレットを見ながら、「世界一周旅行をしようと計画しています」と話す場面だった。それを見て、この人たちは”生活に余裕がある羨ましい人たち”としか私の目には映らなかった。だが、本当のところはどうだかわからないし、どうでもいいのだが、長年収集してきた隕石を売って旅行の費用にしようとしていたのだ。番組の中で司会者が開口一番、「そんな大事な物を手放していいんですか」と尋ねると、「こんなに重いものは、あの世には持って行けませんから」と即答。これにはスタジオの面々も爆笑で私も思わず、つられて笑ってしまった。ご本人曰く、「もう80歳になって人生も残り僅かになったので、元気なうちに旅行を楽しみたい」とのこと。世界一周旅行という永年の夢を実行に移すことにしたのだ。

 いったい世界一周旅行というのはどのくらいお金がかかるものなのだろう。一口に世界一周と言っても、すべての国に行くわけでもなく、ぐるっと地球を一周して帰ってくれば、それでも立派な世界一周と言えなくもない。以前、新聞で話題になっていたのは80歳の女性同士の世界一周旅行で、しかも費用は100万円以内に抑えたと言うから、それも凄いことだ。彼らの旅は単なる観光ではなく、確固とした目的があったこともあり、そのことでも大いに注目された。たしか二人は医師と社会活動家という職業ということもあり、二人の世界一周旅行は大いに意味がある行動だった。

 さて、『なんでも鑑定団』の依頼人の男性の話に戻ろう。司会者が男性に本人評価額を聞くと、う~んと少し考えた後、「5百万円ぐらいは欲しいですね」と答えた。なるほど、世界一周旅行には、それくらいは必要か、とこちらは大いに共感する。どうせ行くのなら、高齢なのだから、ホテルだっていいところに泊まりたいのは当然だ。それはさておき、いったい依頼人はこれらの隕石10個をいくらで買ったのだろうか。本人の話では、70万円くらいという話だが、果たして鑑定結果はいくらぐらい?と興味津々だった。お決まりの「鑑定結果はCMの後で」と言われて、早く知りたくてウズウズしたが、長すぎるCMを我慢してやり過ごし、じっと待った。

 すると、その金額にギョッとなった。デジタル表示の数字が百万円の単位になっても止まらない。ええ~!?と思って、まじまじと見たら、なんと2千4百万円と表示されていた。鑑定団の番組史上、なんと最高額を記録したと言うから、スタジオも騒然となった。依頼主は満面の笑みで、これだけあれば、何の心配もせずに世界一周旅行に出発できるに違いない。羨ましい限りだ。

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