人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

白い虫歯ってあるの?

歯医者の先生の言葉に愕然!

 またまた、何とも不都合な真実を突き付けられた。通っている歯医者の定期検診で、虫歯が見つかったのだ。前回の受診からちょうど一カ月ぐらい経っていたが、僅かひと月で虫歯ができるなんて、とても信じられない。ある日、いつものように夜歯磨きをしていたら、右前歯と奥歯の間にある歯が、白くなっているのを発見した。その時は、あれ、これ何で白くなっているのだろう、と不思議でならなかった。今までこんな風になった歯を見たことは初めてで、それが検診日のちょうど1週間前だった。まさか、虫歯ではないのかと、という嫌な考えが頭をよぎったが、そんなバカな、虫歯が白いだなんてありえない、とその考えをすぐに打ち消した。これって、もしかして、汚れ?例えば、歯垢とかじゃないの、とあれこれ思うが、どうしようもない。まあ、歯医者に行って、先生に聞くしかないと諦めた。

 さて、歯医者に行って、診察台に座った私は、先生に「お変わりありませんか」と尋ねられると、開口一番、口を開けて、「この歯の表面が白くなってしまったのですが、これって何ですか」と聞いた。すると、先生は、「ああ、これは虫歯なんですよ」などとこともなげに仰るので、私は絶望のどん底に突き落とされた。ええ、まさか!毎日、歯ブラシはもちろん、歯間ブラシも細いピックも使って歯と歯の間もちゃんとケアしてきたのに、これはいったいどういうことなのか、と歎かずにはいられなかった。

 「ちゃんと、歯間ブラシもしているのに、どうしてなのでしょう」との本音に先生は、「歯間ブラシはあくまで歯周病予防なんです、虫歯は糸なんですよ」などと、それを早く言ってよ、と言わんばかりの指摘をした。要するに、歯と歯の間のケアは自己責任とでも言いたいのだろう。まあ、よく考えてみると、定期検診と言っても、歯の掃除、それも、歯と歯茎の間の汚れを取るのみで、大したことをするわけでもないので、時間にして5分もかからない。歯と歯の間の虫歯なんて、見ただけでは外からは分からないのだ。それに、残念なことだが、いつも「あなたは歯と歯の間に虫歯ができやすいタイプですね」と言われていた。それを言われたときは気にして暗い気持ちになるが、歯科医院を出れば、すぐに忘れてしまう自分にも責任はあるのだ。

 歯の白い部分を削って貰ったら、なんと小さな穴がぽっかりと空いていた。こんなに穴があくまで、いったい自分は何をしていたのかと自己嫌悪に陥った。「これって、また、型どりをして被せるですか」と聞くと、先生はその必要はないと言う。だが、結局は、歯に空いている部分に詰め物をしても、すぐ取れてしまうので、やはり、少し歯を削って被せ物をすることになりそうだ。

 そういえば、以前、予約の時間より少し早めに歯科医院に行って、待合室で待っていたら、中から先生と患者さんの話声が聞こえて来た。患者さんは「先生、ここにある虫歯を早く治療してください」と頼んでいた。それなのに先生は「まだその時ではありませんから、様子を見ましょう」などと言うので、どうしても納得いかないようなのだ。それで、先生はもし詰め物をしたとしても、すぐに取れてしまう可能性が高いので、虫歯がある程度大きくなった方が治療しやすいのだと説明をした。なんだか、双方の思惑がミスマッチだが、これが現実なのだろう。患者さんとしては虫歯が小さいうちになんとかしたい、その一方で、先生は後のことまで考えて、虫歯がある程度の大きさになるまで待つのが常識だとの判断を下すのだ。患者としては、受け入れたくはないが、そこは譲歩するしか選択肢はない。

 私の場合も同様で、もう少し早く気付いたとしても、同じ結果になった可能性が高い。白い部分を削った後、空いた穴に神経を落ち着かせる薬を塗って、蓋をしたあと、約一カ月そのままで様子を見ることになった。虫歯のことを考えると、落ち込むばかりなので、暫し頭からそのことを追い払うしかない。こんなことを言っても、何の役にも立たないが、小学校の歯科検診の時に、「この子の歯は良い歯だ」といつも褒められていた私が、この体たらくなのだから、まさにトホホ、なのだ。

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