人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

両替をするために空港へ

選択肢がないなら、空港で両替も悪くない

 来月に迫った旅行を目前にして、さて、両替をどうしたものかと思案していた。もはや主要銀行は外貨の両替を終了していたので、私に残された選択肢は外貨ショップの宅配を利用するか、あるいは、空港で両替するかだった。外貨ショップは手数料がかかるし、現金書留で送られてくるので、別途費用も追加される。それに高額の両替でもないので、積極的に利用する気にはなれない。実はネットの情報で、主要都市にはみずほ銀行の外貨両替専用のATMがあると聞いたが、やはり、人間でないと不安だった。それに、ヤフーの知恵袋で、「○○空港には両替のATMもあるそうですが、それはどこにありますか」と質問している人がいて、それに対するベストアンサーに私は仰天した。

 なぜかと言うと、例えば、ユーロだったら、一番使いにくい50ユーロ紙幣が出てくると言うのだから。「あんな、使い物にならないものに何の意味があるのですか」と一刀両断し、どうせなら両替所を利用したほうがいいと言いたいのだ。私の頭はガ~ンとなり、日本円をユーロに両替できれば、札の種類は何でもいいと言うわけにもいかないことに今更ながら気づかされた。考えてみると、外貨を日本円で一万円札に換えても、何の問題もないが、ユーロは高額だと受け取りを拒否されることもある。なので、銀行の両替所では、5ユーロ、10ユーロ、20ユーロのセットで受け取ることが多い。それらの紙幣が一番使い勝手がいいからだ。

 となると、選択肢は空港での両替だが、これには少し躊躇した。どうしてわざわざ飛行機に乗るわけでもないのに、空港に行かなければならないのか、という疑問がふつふつと湧いてきた。どうせなら、出発日当日についでに空港で両替すればいいことなのではと自分を宥めてみるのだが、それが一番合理的な事間違いないないのだが、どうしても納得がいかない。時間がたっぷりあるのにも関わらず、外貨の準備をしないことに、やはり一抹の不安を感じずにはいられない。出発日当日は何かと、気になることばかりで落ち着かないものだ。ましてや4年ぶりの渡航となれば、旅の高揚感とは裏腹に神経質になって当然なのだから、できる事なら両替の手間は省いておきたい。

 ひと昔前のことだが、初めての海外旅行の時に、空港駅の改札を出て通路を歩いていたら、前方に制服を着た職員と思われる人が立っていた。その人は私に「今日はどうして空港に来たのですか」と聞いてきて、「飛行機に乗るために来ました」と答えると、パスポートを見せるように促された。そんな経験があるから、空港というのはそんなに気軽に行ける場所ではないというステレオタイプなイメージが頭にこびり付いているのかもしれない。もちろん、今では入口に職員はいないし、出入り自由なのはわかってはいるが、正直言ってめんどくさい。

 それでも気になって仕方がない私は、ネットで検索し、空港のフロアーガイドを熱心に閲覧していた。何が知りたいかと言うと、両替所の場所なのだが、残念ながら案内図が小さすぎて、分かりにくい。せめて、どの辺にあるかだけでも知りたいのに、それも叶わないのだ。ネット検索にかなりの時間を費やしているのに、何の情報も得られない。実にまどろっこしい。そのうちに、「ネットで検索するより、実際に行った方が早いのでは・・・」と思い始めた。そうなると、すぐにでも行きたい気持ちが沸き上がり、その勢いに背中を押されるままに電車に飛び乗った。もちろん、すぐに行ける場所ではないが、下見も兼ねて両替をしに空港に行った。

 空港に着くとすぐに、”案内”と書かれたカウンターにいる男性に「両替所はどこですか」と尋ねた。両替所は二カ所あって、両替ショップとみずほ銀行だったが、みずほの方の場所を教えて貰う。空港で一度も両替をしたことがないので、特に気にしたことはなかったが、意外にも航空会社のカウンターの近くにあることにすこし驚いた。普通、両替所では用紙に記入するものだと思っていたら、今はその必要はなく、すべて液晶パネルでのやり取りだった。5万円分のユーロと3万円分のポンドに両替してもらい、特に初めて見たポンド札の美しさにうっとりとなった。

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