人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

リゾートフィーに驚いた

もし行く機会があれば、ぜひ利用したい

 昨日の朝日新聞の投稿欄『ひととき』のタイトルは「NY一人旅」だった。それを見た瞬間、私の心は敏感に反応した。もしも、行き先がパリとかローマとかだったら、「ふ~ん 」ってなもので、たいして気にもしなかっただろう。ああ、ここにも自分と同じような人がいるなあ、みたいな気持ちで、心穏やかだったに違いない。だが、NYと聞いたら、話は別で、あんな怖いところに、女一人で、しかも初めての一人旅で・・・と想像するだけで、冷や汗が出る。この記事の投稿者は斉藤麻美さんという46歳の女性で、日常的に英語を勉強していて、ある程度英語には自信がある人だった。でも、実際はリスニングに戸惑って、自分の実力のなさを痛感した。だが、この人のえらいところは、帰国してから、NYへの語学留学を決めたことだ。しばらくは、海外旅行はもういいかなあとさえ思ったが、それでもやっぱり、国内旅行5回を諦めてでも、海外に行きたいと言う気持ちが沸き上がった。より一層、英語を学びたいと言う気持ちが日に日に強くなった。

 この投稿記事の中で、私が注目したのは、”リゾートフィー”という言葉で、ネットで調べてみると、ホテルの施設使用料とは別に徴収される追加料金のことだそうだ。普通は一日につき10ドル~20ドルぐらいだとサイトには載っていたが、そんなものがあるなんて、聞いたことがなかった。果たして、それはそんなに役に立つものなのだろうかと疑問にも思った。ところが、そのリゾートフィーのおかげで、斉藤さんのホテル滞在はより充実したものになった。ホテルマンの説明によると、「事前に支払ったホテル代とは別に、現地で支払うリゾートフィーと呼ばれる代金の金額以内なら、ホテル内の食事施設や売店を無料で!?利用できる」ということなのだ。

 いやはや、こんな喉から手が出るほどのおいしいサービスがあったとは、まさに青天の霹靂だ。NYを敬遠している私でも、チャンスがあれば、ぜひとも利用したいと思わせてくれる特典だ。斉藤さんはこの制度に大いに助けられて、ホテルライフを満喫したのである。世のなかには、まだまだ自分が知らない情報が五万とあるのだと言うことを思い知らされた。その点において、私は他人の旅行記を読むのが大好きで、以前は本屋で何冊も読み漁っていた。昨今は、以前のようには普通の人の旅行記というものが本屋にないので、いや、それどころかガイドブックさえも品薄で、寂しいかぎりだ。一日も早く、海外旅行ブームが再来することを願うばかりだが、航空運賃が以前よりも10万円も高いのだから、なす術がない。

 それはさておき、NYのことだが、昔NYが大好きな友人がいて、彼女に「NYのどこが、何がそんなにいいの?」と尋ねたことがあった。すると、彼女は何を馬鹿なことを言っているのと言わんばかりの顔をして、「ブロードウェイで、沢山のお芝居を見て元気を貰うのよ。あそこはエネルギーに満ち溢れている場所だから」と即答した。目を輝かせてそう言う彼女の顔を見つめながら、NYとはそんなに魅力的な場所なのかと思った記憶がある。

 また、8月もあとわずかというある日、街を歩いていたら、偶然、学生たちの話を盗み聞きした。そのグループのひとりの男の子が、「俺、この間、ニューヨークに行ってきたんだ」と話し始めた。その時の私はまたたわいもない旅行の話かと思っていたら、一転、「俺、バスの中で、カバンのなかに入れてあったお金を取られたんだ」と言うのだった。よく聞いてみると、とんでもない、ありえない話だった。彼はNYでバスに乗って、持っていたボストンバッグを椅子の下に置いた。まあ、日本でもよくする普通の行動だ。ところが、バスが急ブレーキをかけて止まった後、事件は起こった。彼の足元のあったバックが最後尾の座席の方まで移動していたというのだ。ええ~!まさか、そんなことが?と信じられない話だが、彼は自分のバッグを取りに行った。念のため、中身を確認してみたら、中に入れて置いたお金が消えていた。

 彼の話ではそれは一瞬の出来事で、いったい、いつ誰が、あんな短い時間で事を終えることができたのか、不思議でならないらしい。もしかしたら、彼が焦って自分のバッグを捜している間に、その隙に事に及んだかもしれない。要するに、彼が皆に言いたかったのは、「NYとはそんなところなのだよ」ということなのだろう。

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