人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

フランス国鉄のサイトからのメール

突然のメールに驚いたが、一転、ひと安心

 この秋に行く予定の海外旅行で、パリからユーロスターでロンドンに行くことになっている。私にとっては初めてのロンドンで、なぜあまり興味がなかったロンドンに行こうと思ったかと言うと、大英博物館を一目見たかったからだ。日経新聞に載っていた大英博物館の写真の美しさに惹かれ、さらに入場料が無料なのを知って、それなら行かない手はない、と思ってしまった。それに、いつも買っていHNKラジオフランス語のテキストに連載している、猫沢エミさんのエッセイも私の背中を押してくれた。「ユーロスターでロンドンにでも遊びに行こうか」と猫沢さんはふと思い、実際に実行に移したと書いていた。はっきり言って、同じことを飛行機を利用してやろうと思ったら、想像するだけで面倒に感じる。もちろん、パスポートコントロールやら、荷物検査はあるが、そんなにハードルは高くない。もしも、列車でなく、飛行機だったら、果たしてロンドンに遊びに行こうとチラッとでも思うだろうか。否である。

 ともかく、そんな理由でロンドンに行くことになって、フランス国鉄(SNCF)のサイトからユーロスターのチケットを購入した。いや、正確に言うと、チケットそのものはまだ手元にはなく、受付番号とでもいうのだろうか、6文字のアルファベットを貰っただけだ。情報関連サイトを検索してみたが、とにかく当日の乗車前に本物のチケットに引き換えてから、列に並ぶと言うことしか教えて貰えない。”ユーロスターの乗り方”と銘打っていても、誰もそんなに痒いところに手が届くようなレベルでは情報を伝えてはくれない。具体的にはどこで取り換えたらいいのかが知りたくてたまらないのに。ユーロスターでロンドンに行こうと軽い気持ちで思いつき、まるでTGVにでも乗るような気分でいた私は、正直戸惑い、不安でいっぱいになった。まあ、ドタバタするが、かろうじてなんとかなるのがいつものパターンなのだが。

 ユーロスターを予約したのが7月中旬で、今まで心の中にある不安を見て見ぬふりをしてきた。だが、ある日突然のSNCFからのメール、正確にはユーロスタ―からだが、それを受け取って、初めてあの6文字のアルファベットが有効だと確信できた。ロンドンに行ってから、またパリに戻るので、往復のチケットを予約していたが、メールの内容はその帰りの列車に関することだった。私が予約した列車は現在のところ出発時間が少し遅れて運行されており、時間が変更になったとのこと。予約確認書を見てみると、11:30出発が12:04になっているので、30分ほどの遅れているわけだ。パリに着いたら早速北駅に下見に行って、駅員にあれこれ聞きまくって、汗をかくことになりそうだ。そうだ、忘れていた、今は昔と違って、窓口に人がいないのだろうか。

 それでも、昔、昔と言ってもコロナ禍になる直前だが、TGVのホームでどう見ても暇そうな職員と思われる3人組を発見し、これ幸いと質問したら、懇切丁寧に答えてくれた。これは日本の大都市の主要駅ではありえない光景だ。なぜなら、例えば、東京駅で職員に尋ねたいことがあったとしても、誰一人見当たらないからだ。どこか案内所でもないかと探したら、それは外国人専用の案内所で、長蛇の列を作っていた。そんな場所に並んでいいものかどうか、当然、日本人なのだから、遠慮?すべきではないかという考えが頭をもたげてきた。たぶん、今は職員よりも、スマホにでも聞けと言いたいのかもしれない、と自棄になりたくなった。

 SNCFから列車の出発時間の遅れに関するメールを受け取って、私の心は霧が晴れたようにすっきりした。つまり、そのメールは、7月にしたユーロスターの予約が有効であり、現地の駅に行けば、紛れもなくチケットに取り換えて貰えると言うことを証明するものに他ならないからだ。最初は何事!と一瞬ドキドキしたが、メールを読んで、すぐに事態を理解した。今回は行く前からなんだかいろいろ肝を冷やすことが多すぎる。まるで海外旅行初心者みたいなものだが、考えてみると、実に4年ぶりだから、大げさに言えば、浦島太郎並みに驚きの連続なのかもしれないが。

mikonacolon