人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

ニューカレドニアのニュースを聞いたら

不測の事態にどう備えれば

 ビデオで韓国ドラマを見ていて、テレビに切り替えたら、ちょうどニューカレドニアのニュースをやっていた。原住民の人たちの暴動が全土に広がって、挙句の果てに空港まで閉鎖になったと言う。彼らはどうしてそんな行動にでたのだろうか。旅行者にとってはえらい迷惑で、どうすることもできない事態だ。だが、ニュースをよく聞いてみると、彼らの行動にはちゃんと確固たる理由があった。ニューカレドニアはフランスの海外県で、そのことはNHKラジオのフランス語講座を聞いていたので、もちろん知っていた。フランス政府がかの地に住んで10年以上になるフランス人を住民と認める政策を採決したことが、今回の暴動の始まりだった。いわゆる、独立に関する住民投票に参加できるようになるからだ。原住民の人たちは強く独立を望んでいるらしく、過去にもデモは行われていた。だが、それは至極穏やかなものだったらしいが、今回は様子が全く違う。何でもフランス政府が独断で決めてしまうことに憤っているようだ。

 翻って、日本からバカンスに行った日本人カップルはというと、現地での暴動について、着陸直前にCAさんから知らされた。となると、普通ならルンルンなはずなのに、当然のことながら、空港から出られず、床に毛布を敷いて眠ることになった。その後何とか宿泊先のホテルまでたどり着き、食べ物を買おうとスーパーに行った。だが、そこは略奪された後で見るも無残な有様だった。ほとんど商品が残っていない状態だったが、あるだけの食べ物を買って帰った。だが、問題は空港が閉鎖されているので、日本に帰れないことで、延泊を余儀なくされてしまった。ニューカレドニアは日本から年間2万人もの人々が訪れる人気の観光地だ。

 ニューカレドニアというと、作家の森村桂さんを思い出す。森村さんが日本人としてかの地を初めて訪れて、『天国にいちばん近い島』という旅行記を書いたら、たちまち日本で一大ブームが巻き起こった。原田知世さん主演で映画にもなったそうだが、私は映画を見ていないからわからない。最近はどうなのだろうと思っていたら、暴動という想定外の事態が起こっていた。気候変動もそうだが、今の世の中、何が起こるかわからないとつくづく思う。私たち旅行者は未知の場所に行くのを楽しみにしているだけなのだが、現地の事情についても理解しておくことは欠かせない。物事には必ず負の面があることを頭の片隅に入れて置く必要がある。日本人に絶大な人気があるハワイにしたってそうだ。観光客には天国かもしれないが、一方の地元で暮らす人たちにとっては雨季は物凄く大変な時期なのだとテレビの映像で知った。車の中で生活している住民もいて、見ていて気の毒になった。光に溢れているとばかり思っていたハワイの影の面を見た気がした。

 最近は円安でハワイを避けて、ベトナムに行き先を変える傾向があるとテレビのニュースが伝えていた。まあ、言われてみれば、ハワイは日本語も通じるし、コンビニだってあるから便利だ。それに、おにぎりだって売っているから最高だ。日本の梅雨のようにジメジメしていなくて、真夏でもサラッとしている暑さだから過ごしやすいと友達が言っていた。でも、その友達さえも「高いからもう行けない」と落胆しているのである。

 私はというと、ハワイには魅力を感じないので、行こうとも思わない。それにあそこは一人で行くところではなくて、誰かと、例えば、親しい友達とか、家族で行くところだと言うイメージがある。実を言うと、今回の旅行先を決めるのに、ベトナムという選択肢もあった。もちろんそれはハワイの代わりというわけではなく、費用が安いと言うただそれだけの理由で候補に挙がっただけのことだった。だが、ベトナムでいったい何をすればいいのだろう、とよくよく考えてみたら、何も浮かばなかった。昔まだベトナムに入国するのにビザが必要だったころ、ベトナムに行った人に話を聞いたことがある。その人はしきりに食べ物が美味しかったと感激していた。それは何かというと屋台で食べたお米の料理で、日本人には願ってもないところだから是非行くように勧められた。ベトナムに対してそんな豊かなイメージを抱いている私にとって、昨今のテレビの映像には違和感しか抱けない。

mikonacolon