人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

新聞を取ることにしたわけ

なんてことない理由で、漫画が読みたいから

 朝日、日経とすでに2紙も取っているのに、自分でも不思議なのだが、もう1紙取ることにした。訪問勧誘されたわけでもないのに、PR版をほんの少し読んだだけなのに、それでもお客様センターに電話をしてしまった。その理由は新聞に連載されている漫画を読みたいからだ。大変失礼な言い方だが、世間の人がいう”漫画ごとき”で私の心は揺さぶられた。一口に漫画と言っても、絵を見て楽しんだり、あらすじに共感したりと、一瞬で心の風向きが変わるのだから、人に与える影響力は凄いと思う。

 最初から、すぐに読みたいから新聞を取ろうと思ったが、ひとつ引っ掛かる問題があった。それは現実的な問題で購読料の3700円をどうするかということだった。折しも、水道代や電気・ガス代が高くなったと嘆いていた時で、これ以上の出費はできれば避けたいのが本心だ。だが、考えてみると、以前は毎日のように通っていたカフェにほとんど行かなくなった。正確に言うと、そこが安全な場所だと思えなくて、行けなくなったのだ。最近ではコロナをあまり気にする人もいないようで、カフェも賑わいを取り戻しつつあるが、私の足は店には向かない。不思議なことに2年も遠ざかっていると、必要不可欠だと固く信じていたステレオタイプな考え方に変化が起きた。それにあの店のコーヒーにもパンやケーキにも飽き飽きしていたことに気が付いた。この間、都心に用事があって、どこかで休憩するためにコーヒーのチェーン店に入った。以前は500円もあればコーヒーと何か菓子パンのようなものを食べられたのだが、値上げされていた。

 つまり、毎日のカフェ代をひと月に換算すれば、新聞代の3700円は軽く払えてしまえる。そう考えたら、お金のことで購読の申し込みを躊躇する理由も無くなった。最悪、困窮して新聞代が払えなくなったら、断ればいいと気楽に考えることにした。お金よりも自分の楽しみを優先したわけで、先のことをあれやこれやと心配しても仕方がない。今は大きな楽しみは叶いそうもないので、小さな楽しみに希望を見出すしかない。

 購読の申し込みをするためにお客様センターに電話をしたら、氏名と住所、電話番号を聞かれて、最後に「それで、期間はどれぐらいにしますか?」と尋ねられた。とっさに適当に「3カ月でお願いします」と答えたのだが、ふと新聞に載っていた広告を思い出した。たしか、そこには「新規で6カ月以上購読を始めた方にどちらかプレゼント」と書いてあって、ライオンの液体洗剤のセットとリュックに入った災害対策セットの写真が載っていた。それで、災害対策セットが気になった私は「あれは本当に貰えるのですか?」と興味津々で聞いてみた。災害対策セットの内容は5リットルの給水パック、プロテクトマスク、アルミブランケット、抗菌携帯トイレ、軍手等で、実際の吸水パックの写真も載っていた。ようく考えてみると、これらはアウトドア製品で、災害よりもキャンプか何かに役に立ちそうなものばかりだ。だとすると、洗剤の方がよほど役に立つような気がするが、タダでもらえる物に期待しても仕方がないので考えないのが一番だ。

 新聞を取っていて、一番困るのがどんどん新聞が溜まってしまうことだ。散々読んで楽しんだ後、さてその後どうするか、後始末をするのが正直めんどくさい。余裕のある時はいいが、忙しい時はそこいら辺にツンドクのである。正真正銘の野放し状態で、それらはもはや私にとってはゴミ同然で、新聞を取っているからこんな面倒なことになるのだと一瞬思うこともある。だが、新聞休刊日のあの寂しさ、静けさ、空虚さを思い出すと、とても耐えられないので「まあ、しようがないか」となる。

 自慢ではないが、私は整理整頓が苦手なので、溜った新聞を白いビニールひもで綺麗に縛ることができない。できないと言うより、うまく行かなくて時間を要するので嫌になる。近所の資源回収に出すのだが、皆さんどうしたらあんなに綺麗にと思うほど立派な仕事をしていらっしゃる。自分が出す新聞が何だか後ろめたく感じる。近頃は新聞店も経費節減だとかで新聞整理袋という優れものをくれなくなった。だから、私も少しでも快適に暮らそうと、新聞整理の苦痛から解放されるための策を考えた。それで見つけたのが薬局にある20リットルのレジ袋で、以前日経で貰っていた透明な新聞整理袋と同じサイズのものだ。今は袋を二重にして使っていて、読んだ新聞はすぐにそこに入れるようにしたら、ストレスは無くなった。

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