人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

新聞が来ない訳は

外国人が新聞配達だなんて、思ってもみなかった

 今朝新聞が来ない。来ないと言っても、日経と朝日と某地方紙の3紙を取っているうちのひとつである。その地方紙がいつも夜中の2時ごろ来るらしいのだが、それが5時を過ぎても、6時になってもいっこうに来ない。またか?と諦めて、朝の散歩に行って帰って来ると、玄関のドアポストに挟まっているのを発見しホッとする。実は先週の月曜日の夕刊も来なかったのだが、いちいち電話をかけて催促するようなことはしたくない。これはあくまでも、私の推測だが、おそらく日によって配達する人が違うのだろう。あるいは毎日配達する人が時々は休みを取ることもあるだろうから、そう言う場合は別の人が配達することになる。

 私の場合はその地方紙を取ってからまだ一年余りだから、きっと申し送りができていないのかも、とそう考えていた。毎朝、一番に地方紙が来るものだから、当然その後の2紙はドアポストに挟まっている新聞を押し込まなければ、新聞を差し込むことはできない。またその際、新聞をドアポストに挟んだままにする人もいれば、中にグッと押し込んで外から見えなくする人もいて、それぞれのやり方がある。それで、自然と配達の人がいつもの人じゃないとか、最近は入れ方が違うからひとが変わったんだとわかってしまうのだ。

 さて、今日の新聞がどうなったかと言うことだが、散歩から帰って来たら、奇跡のように?ちゃんとドアポストに挟まっていた。やれやれ、これでやっと気にしなくても済む。些細なことかもしれないが、考えようとしなくても、やはり喉に刺さった小骨のように気になる。いつもの平和な朝を始めることができて、ほっと胸を撫でおろす。

 新聞配達で、思い出したのは、新聞に載っていた留学生の人の投稿だった。東京にある新宿日本語学校で学んでいるベトナム人の学生さんはふたりともアルバイトで新聞配達をしていた。そのことを知って、私などは「へえ~、そうなんだ」と意外に思った。今まで考えたこともなかったからだ。そのうちのひとりは「新聞配達の途中、運転していたバイクで転んで足を痛めたことがある。その時知らない日本人に助けていただいた」と感謝し、またとても感動したと書いていた。来日する前は「日本人には心がない」とネットで読んだことがあるが、実際は違っていた。だから、今では「日本人は他人に迷惑をかけないように、行動は慎重であまり心を表わさない。でも実は冷静な顔つきの中に温かい心がある」とそう思ってくれているようだ。

 もうひとりの学生は、アルバイトで新聞配達をしているが、時々ミスをすることがある。人間なのだから当たり前なのだが、「ベトナムだったら、叱られるだけでなく、解雇されると思う」という記述に仰天した。注意程度で済んでしまう日本と比べると、これは日本より相当に厳しい状況だ。そんなベトナムの現実を知っているからか、新聞販売店の店長には物凄く感謝している。なぜなら、店長は『ミスの原因がどこにあるかを丁寧に説明してくれ、怒らずに「頑張れよ」と応援もしてくれる』からだった。考えてみると、彼らは言葉もたいして通じない異国に来て、頑張っている人たちである。本当なら、助けてあげなければ、もっと応援してあげなければならない存在なのだと改めて気づかされた。

 それに日本に来て、アルバイトをしながら学んでいる人たちは、普通の日本人よりもずうっと優秀なのではないかと思ったことも多々ある。例えば、以前コンビニで宅急便を出すときに、偶然店員さんが中国人とかの外国人だった。内心、これはまずいと思ったが、何のことはない杞憂だった。送り状に書かれた田舎の住所をちゃんと認識し、荷物コードをササッと入力していた。私が想像する以上に彼らは日本語の知識が豊富な人たちだった。だが、そのコンビニもコロナ禍が影響したのか、いつの間にか閉店してしまった。

mikonacolon