人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

今本当に学びたいこと

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コロナ禍で一番身につけたいのは心の平安の保ち方

 気が付けば、ついこの間まで裸木だった木々からは新芽が出て、どんどん成長しています。観察していると、日ごとに勢いを増し、あっという間に新緑で満たされて眩しく感じられるほどです。季節は人間の思惑などとは関係なく巡って、新しい春が来たのです。私たちがコロナに翻弄されてから,もう1年も経ったのかとため息が出てしまいした。春なのに、希望に満ち溢れた季節なのになぜこんなに気分が盛り上がらないのか、そんな風に思っていたら、黒のスーツを着た男女の集団と出会いました。彼らの服装からして、入学式か、あるいは入社式かと思われます。マスクをしながらも雑談しながら歩く姿からは、これからの生活への希望の光が感じられました。コロナの感染拡大が危惧される世の中でも、明るい未来を信じて疑わない人達も確実にいるのだとわかって、なんだかホッとしたのです。

 先日、新聞にある大学教授の方が、今の学生には「ガチャ思考」と言うのがあるらしいと書いていました。その先生のゼミで学生がガチャという言葉を多発するのが気になっているのです。ガチャとは誰でも知っているガチャガチャで、お金を入れて、レバーを回すと透明なプラスチックのカプセルが出て来るあれです。中に入っている品物は様々で、当たりかどうかは運しだいで決まる。つまり自分をそのガチャに例えて、生まれた家によって、用意された環境によって、将来がほぼ決まってしまうのだと言いたいのです。いわゆる「親ガチャ」です。自分の将来も運次第で、忍耐だの、逆境に負けないだのと努力の大切さを教えられても虚しいだけなのだと。だからと言って、彼はそういう世の中を否定しているのではなくて、そういった残念な真実があるのを承知で現実を楽観視しているのです。

 さて、もう学生ではない私たちは、これから先どうしたらいいのか。そうだ、今一番学びたいことは、これからの生き方、先行きの見えない現実との向き合い方だとは言えないだろうか。知人のある男性は自他共に認める仕事人間だったのですが、コロナの影響で休みの日が多くなってきました。最初のうちは何をしたらいいのかわからず、戸惑い嘆いてイライラしてばかりいました。彼の仕事はリモートワークができないので電車に乗って出勤するしかありません。でもしだいに気づくようになったのです、会社を休むということは感染から自らを守ってくれることなのだと。今まで目の前の仕事のことしか眼中になかった彼が、思わぬ空白の時間ができたことで自らを振り返ることができたのです。家に帰っても仕事のことが頭を離れなかった自分って、いったい何だったのだろうとあきれ果ててしまった。仕事をしていない自分はまるで抜け殻のようだと感じてしまった。仕事を取っても自分でいられる何かを、心の支えが欲しいと思った。

 では人にとっての心の支えって何だろう。時間だけはあるので、今まで時間が無くて読めなかった本を図書館で2~3冊借りてきて読んだりもした。見たことがなかった韓国ドラマもテレビでやっていたので試しに見てみた。そしたらあろうことが嵌ってしまったのだ。主人公はアナウンサーを目指す女性で、彼女の母親もアナウンサーで自分の番組でMCもするほど有名だった。だが陰謀によって番組を降ろされ、住んでいる家さえも奪われそうになってしまう。自殺未遂もしたが、彼女はアナウンサーとしての誇りは決して失わなかった。苦難の中にあっても、天性の素質と好きと言う気持ちが彼女の生きる支えとなったようだ。一方、その娘も親友の企みによって行く手を阻まれるが、「やられてもやり返さないこと」をモットーにして危機を乗り切った。住む家を失って困ったとき、恋人が狭い家で悪いけどと同居を申し出てくれた。素直に彼の好意に甘えることにした、たとえ自分を嫌っている母親がいる家だとしても。他人に迷惑をかけたくない、自分だけで解決するべきと考えていたが、それは到底無理なのだと悟ったのだ。他人の好意にすがるのも生きていくことなのだと考えを変えた。それでも、自分を惨めだとか、情けないとか、そんなふうに卑屈には考えなかった。店の手伝いや家事に追われ、アナウンサーの仕事とはかけ離れた生活を淡々と送った。でも最後には、願ってもないチャンスが巡ってきて、また本来居るべき場所に戻っていくのだ。

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