今週のお題「2020年上半期」
突然の変化に戸惑いを隠せない
振り返ってみると、その変化は突然襲ってきました。あれは忘れもしない2月末の夕方にドラッグストアに行ったら、あら不思議、トイレットペーパーが一つもない!たしか昨日までは山積みで、買おうと思えばいつでも手に入れることができたはずでした。ミニマリストに憧れていて、ストックを持つという選択肢はない私は困ってしまったんです。諦めて家に帰って来ると、偶然に隣の家の人に会ったので井戸端会議をし始めました。それでついついトイレットペーパーがないことを愚痴ってしまうと、なんと家からたくさんのストックを持ってきてくれたのです。「お宅は大丈夫なの?」と心配になりましたが、とんでもない量のストックがあるみたいです。この隣人のような人を「常に備えている人」というのだと感心した覚えがあります。
予想もしなかった世界で生きることに
でも今にして思うと、この時はまだ幸せだったのです、コロナの脅威には晒されていない時期ですから。中国の武漢で発生したコロナウイルスはまだ対岸の火事で他人事でしかありませんでした。テレビのニュースでもウイルスは熱に弱いので夏になれば終息するだろうと楽観視していました。私自身もまだマスクなしで平気で街を歩き、カフェに毎日のように通っていたのです。ウイルスをまき散らすというハンドドライヤーも気にすることなく使っていたのですから、今思うとゾッとします。やがて感染者が増えて社会的距離をパンダ一頭分取るのが常識となると、次第に心の隅にいつでもコロナが引っかかって窮屈になりました。あっという間に世界の感染者が増え続けている現実は、もしかしてSFなのではと錯覚してしまいそうでした。
未来への警告が現実になった!
以前見かけた本の帯には「気候変動による大雨などの自然災害、次には感染症のパンデミック、そして食糧危機」とショッキングなフレーズのオンパレードです。さすがSF小説と思ったら、それは小説ではなくて目を覆いたくなるような未来の警告書だったのです。その時はあまりにも非現実すぎて「まさかね?」ぐらいにしか思わなかったことが、目の前で実際に起こっているのです。座っている椅子から転げ落ちるくらいの衝撃に襲われて、悲観的に考えたら簡単に絶望してしまいそうです。感染の脅威、仕事の消滅の危機に晒されている今をどう生きるのか、人間は試されているのだと思います。どうやら今までの固定観念は捨てた方がよさそうです、失くしたものを懐かしんでも意味がないのですから。
SF小説ファンのある評論家は今回のコロナ禍で、あんなに好きだった小説が読めなくなったと嘆いています。あくまで現実に起こらないとわかっていたから楽しめていた。それなのに本当に起こってしまったのだから、もう恐怖でしかないのだそうです。
自分を変えてこれから先に備える
今年は季節の移り変わりをまともに感じることがなく時間だけが過ぎて、あっという間に夏が来ました。コロナ禍による人生の危機に直面しても、何をしていいかわからず目の前の仕事をやることしか思い浮かびませんでした。自粛期間中は現実逃避のつもりで動画サービスと読書が心の支えでした。重苦しい空気から気をそらして気分転換がしたかったのです。以前流行っていた断捨離をしたのを後悔するほどそれくらい大量の本が必要な時期でした。
さて、今日の新聞では「コロナ禍以前の回復まで2年以上」との見出しがでていて、より先行きは不透明です。これからの課題は自分の中身の改革で、例えば「多くを望まない心」とか「少ない食べ物でも満足できる頭」を手に入れたいと思っているところです。
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