人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

学童保育士って、どんな仕事?

宿題の答え、教えてはいけないルールが

 先日のTBSラジオ『宮藤さんに言ってもしようがないんですが』は学童保育士の男性二人がゲストだった。宮藤さんに言わせると、ふたりともその見た目も言動も、全く害のない人たちだという感想だった。実はふたり共、芸人としても活動しながら、非正規の仕事として学童保育士をしていた。この番組には以前にも、水道検針員として働く芸人さんも出演していたので、たいして驚きもしなかった。彼らのうちの一人は堀川さんという31歳の男性で、学童保育士歴は5年9カ月で、この人の話が結構興味深かった。一口に学童保育と言っても、いったい普段は何をしているのかわからないので、宮藤さんが、仕事の具体的な内容について尋ねる。

 学童保育とは、保護者が仕事等で不在な家庭に対して、子供たちを預かり、遊びや生活の場を提供することを言う。その際気になるのは子供と彼らと関わる学童保育士の人数の両方だが、堀川さんの勤務するところでは子供がなんと50人も居て、これはどう考えても多い。そんなに大人数なのにもかかわらず、保育士は全体では15人いるのに実際いつもいるのは7,8人だという。少ないと5人の時もある。宮藤さんが思わず、それは大変だ!声を上げる。となると、ひとりで子供10人くらいは見る必要がある。お二人共、非常勤の学童保育士で、堀川さんは放課後児童支援員という資格を持っているのですが、それは子供の発達を支援する技能を持っていると認められていることなのだ。その資格はふつう、保育士や教員免許を持っている人なら、研修を受ければとれる。ただ、どちらもない人は、高卒で2年以上学童保育で働いていれば、認定を貰えるチャンスがある。事実、堀川さんもそうやって資格を取った。

 さて、学童保育では子供は当然、学校の宿題なんかもやるのですが、意外にもその宿題にどう対応するのかが、悩ましい。要するに、子供が宿題をやっているとか、やっていないとか、見守るのは構わない。それと、答えがあっているとか、あっていないとかを指摘するのも構わない。だが、子供に「答え、教えて」と言われても、教えられなかったというのだ。なぜなのか、どうしてなのか、それは「基本的に、塾や学校での教え方が違っているから」という理由で、宮藤さんが、「ちょっとくらい教えてもいいんじゃないの」と畳みかけても、やはり、答えは「ダメなんです」だった。

 なので、例えば、子供に、「この漢字教えて」と言われたら、漢字辞典を渡すのがぎりぎりの選択というのだから、私などは困惑するばかりだ。「ここに書いてあるんじゃないかなあ」的な、はっきり言って、どうしようもなくまどろっこしい対応しかできないのだ。宿題が終わったら、晴れた日は校庭で遊んでもいい。時には子供と一緒に遊ぶときもあるが、あくまで、子供の安全のために監視を怠らないのが大前提だということは言うまでもない。夕方になると、親が子供を迎えに来る。その時に気を付けなければならないのは個人情報を漏らさないように気を配ることだという。

 時代なのか、学童保育でも、個人情報が漏れるとトラブルになって、収拾が追い付かなくなる恐れがある。そうならないためにも、口頭での会話は避け、連絡ノートにすべて記録し、トラブルの芽を摘む努力を欠かさないようにしている。例えば、親が迎えに来た時に、「うちの子は今日はどうでしたか」と聞かれて、「とても元気でした」というのは構わない。でも、その後で「○○君とちょっと口げんかして・・・」などとは決して言わない方がいいのだ。なぜなら、誰かがその情報を聞いていて、噂が広まるかもしれないからタブーなのだ。宮藤さんが、「わあ~、なんか、気を遣うね」と同情すると、堀川さんは「それくらい気を張っていないとダメなんです」と応じる。傍から見ると子供とただ楽しくやっているように見えても、実際は多くの制約の中で仕事をしていることに気付く。

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