人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

沖縄県民の本音

 

ステレオタイプなイメージ、どうも違うらしい

 昨日ラジオで、沖縄出身の人の話を聞いて目から鱗が落ちる思いがした。その男性は ものすごく早口で、「内地の人は凄く早口なので、合わせないとついて行けないので・・・」などと真面目にいう面白い人だった。開口一番に「チャービラタイ!」とだけ言ったので、番組のMCも聞いているこちらも面食らった。チャービラタイとはどういう意味かと言うと、ご機嫌いかがですかとか、元気ですかという意味の挨拶の言葉らしい。そう言われたらどう返せばいいのかと聞いたら、チャービタンとだけ言えばいいと教えてくれた。

 男性が住んでいるのは、タンダシと言う那覇の田舎と呼ばれているところだ。川あり畑ありの自然豊かな場所で、防空壕もある。家の周りはお墓だらけだが、近くには世界遺産に指定されている建物もあって、那覇の軽井沢とも言われているそうだ。そんな男性が近頃気になることは、NHKドラマで有名になった「ちむどんどん」という言葉についてだ。少なくとも男性の周りの人間は「ちむどんどん」は使わないと言うのだ。「ちむどんどん」はワクワク、ドキドキすると言う意味だ。

 でも、自分は少し違うなあという感じがする。ドラマでは主人公がよく「ちむどんどん」するさあと言う。元々「ちむ」は肝と言う意味で、「肝が据わる」とか「肝を冷やす」とかで使われる「肝」なのだ。うなぎの肝でもいい。それに、沖縄の人は基本的に語尾に「さあ」を付けない。では、誰でも知っているあの言葉「なんくるないさあ」はどうなのか、番組のMCも私もすごく疑問に思った。すると、男性は基本的に「なんくるないさあ」も変な感じがすると言う。「めんそーれ」はどうなのかと言うと、それは論外と却下された。どれも沖縄の人は使わない言葉で、使っているのは地元のチェーン店のお蕎麦屋さんぐらい!?普通は「いらっしゃいませ」だ。どうやらいつの間にかそれが当たり前のように思われてしまっているらしい。外から見るだけの私たちは違和感を抱くことなどないが、地元の人にとっては「それはちょっと違うんだよねえ」と言いたくもなるのだろう。

 次に男性がこれはおかしい、変だと思うのは、ドラマでの沖縄の男性の描かれ方だ。以前の「ちゅらさん」でもそうだったが、いつだって「ダメな奴」でしかなかった。「沖縄の男性は働かない」とか「毎日お酒を飲んでいるんでしょう」とか言われる度に違和感を抱いてしまう。一度頭の中にこびり付いたマイナスのイメージを変えるのは簡単なことではない。

 番組のMCが沖縄と言えば、煩いくらいに「サーターアンダギーを買わないと帰れない」などとふざけたことを言う知人がいると言う。それで男性に「あれって美味しいんですか」と聞くと、「あれは揚げたてが一番なのですよ」と返された。サーターアンダギーは現地で揚げたてをふうふう、あちちと言いながら食べるのものなのだ。内地に持ち帰って、時間が経って油が少し浮き上がっている冷めたサーターアンダギーは「ギー」ぐらいの価値しかない。「サーターアンダー」の美味しいところは現地に置いてきたなどと言うMCの比喩になかなかうまいことを言うなあと膝を打った。

 実はこのとき私は初めてサーターアンダギーが揚げたてを食べる物なのだと気付かされた。スーパーの沖縄物産展でよく透明な袋に入った商品を見かけるが、どう見てもただの揚げドーナツで、しかもあんこが入っていないし、特別美味しそうに見えないので買ったことはない。いつも買うものは決まっていて、「紅芋タルト」やちんすこうを買っている。それから沖縄の人のイメージと言うと、豆腐ようとかチイマミイ―豆腐とかを食べないとダメだなんて言いそうなのだが、それも違うらしい。男性によると、子供の頃にそう言ったものを食べた記憶はないそうだ。つまりそれらはすべて昔はなかったもので観光業が盛んになったために、作られたものだった。

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