人生は旅

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完熟りんごに目から鱗

今週のお題「赤いもの」

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▲ラパス郊外にあるティクワナク遺跡。チチカカ湖に近い標高約3800mの大草原にある。NHKまいにちスペイン語テキストから。

初めて完熟リンゴを食べたら、これが本当にリンゴ?

 昨日居間で点けっぱなしになっているテレビから聞こえて来たのは、 りんごの話題でした。なんでも今年はりんごの出来が一番いいそうで、昼夜の寒暖の差が大きかったのが最大の理由でした。その後は当然りんごのスイーツの特集で、コージーコーナーのアップルパイとかアップルチーズタルトなどの見るからに美味しそうな商品が次から次へと紹介されていました。想像したら、思わず自然と口の中に甘酸っぱいりんごの味が溢れてきました。アフタヌーンティーでは4千円で全10種類ものリンゴのスイーツが食べられるとか、ついつい誘惑に駆られ、見とれてしまいました。でも冷静になって考えてみると、そんなに食べられるわけないのです。それに、りんごはそのまま、生のまま食べるのが一番だと思うのです。

 正直言うと、私はあまり果物が好きではありません。子供の頃よく食べていたのは自分の家の畑に生っているプリンスメロンとか、スーパーでは滅多にお目にかからない黄色いメロンでした。家にあるから仕方なく食べる、そのくらいのものでした。それで私はそんなに果物には興味はなく、友人のように一日でも何か果物を食べないと気が澄まないような人間ではないのです。そんな私が以前目から鱗の経験をしました。

 それはりんごに関することで、それまで私はスーパーに売っているりんごしか知りませんでした。もうずいぶん昔のある日、知人からりんごが送られてきました。段ボール箱に書かれていたのは「江刺りんご」の文字でした。エサシと言えば、北海道の江差追分江差かと思いました。知人に電話して確かめたら、とんだ勘違いでした。どうやら江刺は岩手県にある地名のようでした。「そんな地名聞いたことがないけど」と戸惑っていると、「ほら、代議士の小沢一郎の生まれたところだよ。それに有名な鳳凰堂がある平泉にも近いし・・・」と色々教えてくれました。知人は地元の農家の出身だったのです。中学生の頃には近所のりんご農園でよくアルバイトをしていたとか。「いったい何をするの?」と興味津々で聞いてみると、まず2mぐらいの穴を掘るのだそうです。それから穴の中に堆肥などのいい土壌を作るためのあらゆる物を入れて、やっと苗木を植えるのです。いいりんごを作るためには、すべては土壌ありきなのです。

 さて、送られてきたりんごの箱を開けてみると、物凄く良い匂いが漂ってきました。匂いだけでも十分美味しいのに、食べて見たらどれほどのものなのか、なんだかワクワクしてきました。早速包丁で二つに切ってみて、仰天しました。果肉いっぱいに蜜がぎっしり詰まっているのです。つまり、このりんごは蜜りんごというか、完熟するまでもぎ取らない完熟りんごでした。その点でスーパーに並んでいる他のりんごとは一線を画しているのですが、味も天と地ほど違っていて別格と言えます。「これって本当にりんごなの!」と叫びたいくらい、口に入れてみると衝撃を受けてしまいます。とろけるような、なんだかメロンのような味がしたのを今でも覚えています。

 聞くところによると、完熟りんごにもランクがあって、一級品となるとひと箱20万もの値段が付いたこともあるとか。もちろん、知人が送ってくれるのはそんなに高価なものではありません。でも味は一級品と何ら変わりないのです。ただ、リンゴ自体の形の問題や、傷があるかないかだけの話なのです。有名ではなくても、「江刺りんご」は地元の人にとっては誇れる名産品であり、またそんな美味しいりんごを味わえる私は本当に幸せ者です。

mikonacolon