人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

プリンターが壊れたら

パソコンも買うはめになるかも

 私の今使っているパソコンは、10年以上前に買ったものだ。思えば、それを買った理由は新しいパソコンにそれまで使っていたプリンターが対応していなかったからだった。詳しく説明すると、当時使っていたノートパソコンのキーボードのある特定の文字が入力できなくなった。今ではよく覚えていないが、アルファベットのGだったか、Fだったかで、たったそれだけの話なのだが、事は重大だった。文章が満足に打てなくて、イライラして、ストレスが溜まるばかり。こんなことなら手っ取り早くお金で解決したほうがいいと、新しいパソコンをビッグカメラに買いに行った。ふと思うのだが、昔はなんでも修理して使うというのが常識だったが、今はそんな考えは思い浮かぶべくもない。そんな話を修理センターの人にしたこともあるが、「もうこの製品の部品はありません」とか、「いくら費用が掛かるか、やってみないとわかりません」だのと、明かに迷惑だと言わんばかりなのだ。

 それで、あまりにも理不尽なことを言われるくらいなら、妥協して新しい製品を買った方がこちらも気分がいい。新しいパソコンを家に持ち帰り、プリンターと繋げようとしたら、エラーが出た。なんと、新品のパソコンは今使っているプリンターには接続できないのだ。となると、新しい機種のプリンターを買うしか選択肢はなかった。考えるまでもない、またもやビックカメラにプリンターを買いに行った。お金ですべて解決したことはしたが、さて、まだ使えるのにお役御免となったプリンターをどうしようか。どこも壊れていないし、まだ活躍できるのにお払い箱になってしまった。名残惜しいし、何とも理不尽だが、結局は粗大ごみに出して処分した。

 それにしても、なぜキーボードが一つのキーだけ駄目になったのか、その原因は分からない。ただ、あれは友達から貰ったお古のパソコンだったので、まあ仕方ないかと思うしかない。世間ではよく、“タダより高い物はない”と言われるが、その類の経験だったと思うしかない。もっとも、貰った時はちゃんとサクサク動いてくれたのだが、しばらくして、キーがまともに機能しなくなっただけのことだ。

 それはさておき、突然、今使っているプリンターのことが気になり始めた。もちろん、今のところはちゃんと滞りなく仕事をしてくれている。全く故障するというような気配はない。でも、プリンターというのはいったい何年くらい使えるものなのだろうか。そんなことを今まで考えてたこともなかったし、壊れたことがないから全く分からない。こんなことを思ったのは、エッセイストの岸本葉子さんが、「家のプリンターがどうやら壊れたらしい」と日経のコラムに書いていたからだ。それも、12年前に買った製品だと言う。最初はインクが擦れただけだったが、すぐに白紙になって、全く印刷してくれなくなったらしい。そのとき、仕事で使う請求書を印刷しようとしていたので、慌てふためいた。プリンターが機能しなければ、全く仕事にならない。もちろんすぐに量販店に飛んで行ったが、そこで信じられないような不都合な真実を店員から聞かされた。

 要するに、岸本さんが今使っているパソコンに対応した機種はたぶんもうないと店員から言われてしまったのだ。それに、もう一つ、問題があって、デスクトップとノートバソコンの二つを使っているのだが、仕事の業務の関連上、ノートで作成した文書をデスクトップにメールで送る必要がある。それでノートは既に買い替えていたが、残念なことに共有できないと言う憂き目にあっていた。パソコンとプリンターだけでなく、パソコン同士でもそんなにうまくはいかないとは、何とも理不尽だ。これでは、次々と買い替えを迫られているようなものだ。ふと、先日の朝日新聞天声人語にあった言葉を思い出す、「今あるものを修理し、使い続けるのが、なぜ、こんなに難しいのだろう」。 

 付け加えておくと、岸本さんのプリンターは、インクのカートリッジを入れ直してみたら、印刷できるようになったとのこと、ひとまずは良かった、良かった。

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