人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

マドリッドのホテルを再予約

どうにもこうにも気になって仕方なくて

 秋に行く予定の海外旅行で、スペインに行くことになっているので、スペイン語を何とかしなければならない。なのに、まだ何も手を付けていない。何から始めるのか、いや、やるべきことは分かっているが、NHKの過去のどの講座を勉強の羅針盤にしたらいいのかさえ、決まらない。以前、応用編で大好きな講座があって、初心者の私でもひととおり、スペイン語の文法を学べて楽しかった。だが、それはあくまでも入門編を何年かやって、基本文法の知識がいくらかあったからこその結果だった。正直言うと、今の私はスペイン語会話において全くゼロの状態で、みっちりと文法の基礎を頭に叩き込む必要がある。今やっているフランス語のように、音源だけで何とかというレベルではない。言葉と向き合った年月が違う、それと付き合った時間の量に雲泥の差があるのだから当然のことだ。

 昔フランス語を勉強している時は、スペイン語なんて全く眼中になかったし、ましてやスペインに行こうなどとは夢にも思わなかった。周りの友だちは皆フランス語が話せるとカッコイイとか言っていた。発音の難しさとか口が酸っぱくなるほど動詞の活用を暗唱しなければならないとか、そんな都合の悪いことは誰一人言わなかった。それくらいフランスは憧れであり、また夢見る価値がある存在だった。それなのに、なぜお隣のスペインにも行きたいのかと言うと、それは食べ物の美味しさに魅了されたからだ。スペインは美味しい、と言う事実を知ってしまったら、それからはもう”行きたい”と言う気持ちを抑えられなくなった。

 前置きが長くなってしまったが、先日私はそろそろスペイン語をやらなければと本気で思った。それで、早速取り掛かったかと言うと、そうではなくて、頭の中に浮かんだのは5月の下旬に焦って?予約したホテルのことだった。今まで考えないようにしてきたが、そのマドリッドのホテルはいくら何でも駅から遠すぎるのが問題だった。いや、予約した時点では、何とかなるだろう、いざとなれば、タクシーにでも、あるいは地下鉄にでも乗ればいいだろう、などと気楽に考えていた。だが、頭の中で実際に行ったつもりでシュミレーションしてみたら、異邦人の自分が果たしてホテルまでたどり着けるかどうかは甚だ心もとない。もちろん、ガイドブックの地図はあるが、いざ現地に行ったら使い物にならなかった経験も少なからずあった。

 ではどうすればいいのか、その答えは極めてシンプルだった。要するにもっと駅から近く、自力で歩いても行ける場所にある便利なホテルにすればいいだけのことだ。そんなことは十分承知だが、ホテルの宿泊予約サイトで探せなかっただけのことだ。ダメもとで、約一カ月ぶりにマドリッドのアトーチャ駅近くのホテルを検索してみた。すると、以前行ったことがあるティッセン・ボルネミッサ美術館から歩いて行ける場所に良さそうなホテルを一軒見つけた。この時の私は「なあんだ、どこも満室だとサイトには書いてあったが、探せばあるじゃない!」と言うのが正直な気持ちだった。パリのホテル予約の時に”保証金300ユーロ”を現金で要求されて、痛い目に遭ったので、サイトの最後にある重要情報もちゃんと確認する。よかった、ここはコロナウイルスの注意喚起以外には特別なことは何もない。ホテルの立地も申し分ないし、料金も私の予算内で済むので躊躇する理由がなかった。

 それで無事予約できたのだが、予約確認書をプリンターで印刷しようとすると、何たることかインク切れだった。「マゼンダのインクのカートリッジ交換をしてください」と要求されたので、いやはや焦った。冷静に考えれば、別に今でなくともいつでも印刷はできるのだが、その時の私は、”今でしょう!”で、何とかしなければ、いやどうしても何とかしたかった。予備のインクなどないとわかっていても、一応押入れを開けてごそごそと探してみた。ああ、やっぱりだめか、ならば、やることはひとつ、あるいて15分のところにあるディスカウントショップに買いに行くしかない。確かあそこは夜9時頃までやっているから、まだ間に合うはずだ。パソコンの画面もプリンターもそのままの状態で家を飛び出した。なんだかとても慌ただしいが、何のことはない、当人は憂慮すべき問題が解決して大満足だった。

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