人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

ラジオ体操

自分でも驚くが、何かしなければと思って

 ラジオ体操なんて、まさか自分がラジオ体操をしようだなんて、思うなんてことはありえないことだった。なぜなら、ラジオ体操は子供の頃、夏休みに無理やりやらされたことだったし、大人になってみたら、あれは高齢者のするものだとばかり思っていたからだ。毎朝、NHKラジオの放送に合わせて公園などに有志が集まって皆で運動する”あれ”である。子どもの頃親にたたき起こされて、嫌々ながらもラジオ体操会に行っていた。その時は当たり前のことだが、ラジオ体操の効用もなにも、その一つ一つの体操にどんな意味があるかだなんてことは考えもしなかった。

 なにぶん子供なのだから、仕方ないのだが、今となっては少しぐらい疑問に思ってもよかったのではとも思うが、なにせ周りがそんな雰囲気ではなかった。とにかくつべこべ言わず、言われたことはやればいいと言った感じなのだから、あえて疑問を呈するなどという大それた勇気は持ち合わせていなかった。思えば、あの頃私たち小学生が何もわからずただやらされていた隣で、高齢者の方たちが真剣にラジオ体操に取り組んでおられた。ラジオ体操がやっと終わって、こちらは早く家に帰りたくて堪らないのに、彼らはまだ終わらない。自分たちなりのストレッチか何かを続けていた。ちゃんとした目的があるからなのだろうが、子供だった私にはそれがどうしてなのかわかるはずもない。

 そんな私が、なぜ今ラジオ体操なのかと言うと、最近あまり体調がよくないからだ。体調が悪いと一口に言っても様々な症状があるが、お腹にガスが溜まりやすく、膨張感があって苦しくて堪らないと言うことは以前はあった。だが現在は毎朝納豆を食べるおかげで、辛い症状が改善した。それなら一体どこに問題があるかと言うと、要するに身体のあちこちが痛くて、特に足が辛い。夜寝られないような疼痛ではなくて、生活している中で、思い出したように、痛い!と声に出してしまうような種類の痛みである。特に座っている状態から、立ち上がる時がそうで、正直言ってあまり認めたくないことなのだが、やっぱり痛い。

 なぜ急にそんなことになったのか、思い当たる節が多々ある。以前と比べると、机に向かうことが多くなり、同じ姿勢のままでいる。気が付けば、肩が凝り、背中も痛くなってきたと感じる。肩がたまにピリッとすることもある。このままではまずいと私の心の黄色いランプが点滅する。もっと運動を、時間が惜しいから嫌なのだが、もっと出歩いた方が身体のためにはいいことは頭ではわかっているが、行動が伴わない。身体が動かないのだ。長年持ち合わせている足の静脈瘤のためにも効果的なのは分かってはいるが、実行できないでいた。

 そんなとき、朝日新聞の別刷りの土曜版で、『ラジオ体操のすすめ』という記事を見つけた。それによると、『ラジオ体操は「第一」と「第二」を合わせて6分ほどでエネルギー消費は決して多くはないけれど、全身の筋肉をまんべんなく動かせるように考え抜かれている」のだと言う。例えば、「第一」は13種類の運動が盛り込まれ、身体にある約600の筋肉のうち、約400の筋肉を動かせると言うから、目から鱗というしかない。そんな目いっぱいのエッセンスが詰め込まれているとは露知らず、全くの惰性で嫌々やっていたなんて、なんてことだと嘆かずにはいられない。

 大人になって、ラジオ体操の素晴らしさを知ってしまったからには、もうやるしかないだろう。それに記事にも、「腕を大きく振ったり、体を前後に曲げたり、13種類の運動の中には日常生活ではなかなかしない特異な動作がある。つまり普段は使わない筋肉や関節を動かすエクササイズになっている」と書かれていた。でも、ひとりではなかなか最初の一歩が踏み出せないだろうから、そんな人には公園でやっているラジオ体操会に参加することを勧めていて、全国ラジオ体操連盟という組織もあるらしい。それで私も早速実行しようとしたが、知らない人の中に入っていくのはやはり、ハードルが高すぎる。他に何か方法がないかと考えたら、YouTubeのラジオ体操の動画があることを発見した。これから、このブログを書き終えたら、始めようと思っている。

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