人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

雨の日の休日

天気は大荒れ、でも気にせず外出する人が大勢いる

 昨日の天気予報は台風の影響で一日中雨マーク、でも私は気にせず出かけるつもりだった。早朝の散歩の時は曇り空だったが、日課のトイレ掃除と台所と玄関の拭き掃除を終えたら、急に雨が激しくなった。しばらくしたら止むだろうと思いながら、朝食を食べていた。すると本当に9時を過ぎた頃から、雨が止んだので、出かけることにした。なぜこんな時に出掛けるのかと言うと、なんのことはない、ただ単にNHKの語学テキストの発売日というだけのことだ。正直言って、わざわざ出かけなくてもと思うのだが、新聞の週間天気予報を見てみると、翌日もまた次の日も傘マークがついている。となると、晴れた日に買おうだなんて思っていたら、買いそびれてしまうのではないかと防衛本能が働いた。

 それで、どうせなら今日行ってしまおうかとなった。生憎の天気なのに、都心の大型書店まで40分の道を歩くつもりだった。家を出てすぐに、ベビーカーを押して4人で歩いている家族連れに出会った。その時私は、自分の事は棚に上げて、ええ!?こんな日に家族でお出かけかと驚いた。次に出会ったのは夫婦らしき二人連れで、その人たちもなんだかルンルンしている。せっかくの休日だから、台風の影響で天気が悪くても楽しみを諦めるなんてことはしないのだ。”雨だからお出かけは中止”は私のステレオタイプな思い込みでしかなかったのか。

 だが、その後、だんだんと雨が激しくなり、スコールのようになってきた。短時間に降った雨で私のシャツもズボンもグショグショになった。まだ15分ほど歩いただけなのに、これでは書店にたどり着く頃には完全に濡れネズミだ。それに着替えも何も持ってきていない。それどころか、出かける時に頭の片隅にもなかった。なんてお目出たいんだ、自分は!何の準備もせずに、気持ちだけで家を飛び出すなんて。この格好ではなんだか、いくら何でも恥ずかしい、と常識が働いた。考えるまでもない、書店行きは中止だ、中止にするしかない。そう思って諦めたら、どうせなら近くにあるスーパーで買い物して帰ろうと言う考えがふと浮かんだ。

 その時点では買い物したらすぐ帰るつもりだった。雨に濡れて気持ちが悪いだの、冷房が効きすぎて寒いだのと、心の中で愚痴りながらスーパーの中を歩き回った。シャケの缶詰2個とコカ・コーラの1リットルサイズ2本を買って帰ろうとした。ところが、外を見たら、もう雨は上がっていて、道行く人は誰も傘をさしていなかった。そこで、せっかくだから、都心の書店に行こう、いや、この空模様なら行けるはずだと思ってしまった。そう決断させたのは、いつの間にか、グショグショだったはずの服が店の冷房で嘘のように乾いていたからだ。

 都心へ向かう道はいつもと違って人影がなかった。皆考えることは同じで、こんな日は家でまったりとしているのが正解だ。初めから濡れることがわかっているのに、外出するなんてあまり褒められたことではないのかもしれない。だが、それでも人は外に出掛けて行くものらしい。都心に行って見た景色はいつもの休日と変わりなかった。幸運にも書店に行く間、雨は小降りで何の苦もなく書店に行くことが出来た。風が全くなく穏やかで静かな雨だったのが有難い。

 書店の玄関を入ると、すぐにお目当ての本を捜そうと検索機のスペースに向かった。でも、なんだかいつもと違う、タッチパネルを指で押して文字を入力しようとするのだが、うまくできない。あれ~?パネルをようく見ると、得体のしれない緑色がパカパカと光っている。パネルの上に透明な板のようなもの付けられているため、タッチができない。一瞬戸惑ったが、横を見たら何か注意書きがしてあるのを見つけた。検索機の入力の方法が書かれていて、指のイラストも添えられていたのですぐに理解できた。

 入力したい文字に指を近づけたら、すぐに指を戻す、この動作を繰り返して、本のタイトルを入力して検索すればいいらしい。やってみると難なくできた。ちなみに私のお目当ての本は「サイレント・アース」で、宣伝文句は”昆虫がいなければ、わたしたちは生きられない”というもの。だから、余計に好奇心をくすぐられてしまう。

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