人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

ロボットと人間の共生

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ロボットは人間と仲良く暮らせるか

 ロボットは何に一番必要かと聞かれたら、私などはすぐに介護の現場で必要だと答えてしまいます。介護施設の職員の方が腰痛で悩んでいるという話をよく耳にするからです。さて、昨日の新聞の記事は人の役に立つだけでなく、”人間と仲良く暮らせるか”を考えてみようという企画でした。つまりのび太ドラえもんのような関係は可能かどうかやその他様々な意見がありました。

 その中で小学6年生の稲田晶斗さんの体験はあまりにも予想外で、「ええ~、そんなことまでやってくれるの!?」と感心してしまいました。稲田さんは今ロボット教室に通っていて、これまでに十数台のロボットを作っています。これを読んで最初はこの子は今どきの天才少年かと思ったら、病気になってロボットに助けられたのがきっかけだそうです。だから将来は困った人を助けるロボットを作って恩返しをするのが目標だと言います。

ロボットが教室で授業を受けてくれる

 稲田さんは小学校3年生の時腎臓の病気になり、その時に分身ロボットのオリヒメに出会いました。オリヒメは自分の代わりに教室に行き、授業を受けてくれたそうです!オリヒメは人のように目や手があり、稲田さんは目に映ったものをタブレットで見ることができます。タブレットに向かってしゃべると、教室に伝わるそうです。画面のボタンを押せばオリヒメは手を挙げるので、先生の質問にも答えることができました。また休み時間にも音声で頼めば、友達が駒を動かしてくれるので将棋で遊べました。だから入院中もオリヒメのおかげで友達と遊べたので寂しさが紛れたそうです。こんなふうに教室に居なくても、授業に参加できるなんて夢のようです。オリヒメに出会えた稲田さんはある意味幸運な人と言えますが、今でも病気のせいで毎日8個の薬を飲まなければならないそうです。特に今はコロナで家に居なければなりません。だから「一緒に楽しく遊んでくれるロボットが欲しい」と最後に子供らしい発言が飛び出したのでほっとしました。

オリヒメの開発者

 そのオリヒメの開発者がベンチャー企業「オリィ研究所」代表の吉藤健太朗さんです。オリヒメは高さ23センチで簡単に持ち運びできて、パソコンやスマホで遠隔操作できます。人工知能(AI)で動くのではなく、マイクとスピーカーで会話できて、海外や入院先にいても大切な時間を共有できるのです。以前、約5000台を全国で貸し出していて、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者が使用しているとの記事を読んだことがあります。その時はとうてい身近な存在には思えませんでしたが、今回の稲田さんのケースを知って使用範囲が広がっていると確信しました。ALSでなくても、望めば誰でも使用することができて、病気になったとしても将来に希望が持てます。「学校に行きたいけど行けない。自分の分身がいれば」そんな昔の自分の体験から、吉藤さんはオリヒメを制作したのです。折り紙が得意な吉藤さんは不登校の時にオリジナルの折り紙のバラを考案しました。それが吉藤ローズと呼ばれるもので社名の由来にもなりました。折り紙の腕前が抜群で、「これほど器用ならロボットも作れるはず」と言われて地元のコンテストに応募しました。それがロボットを始めて作るきっかけとなったそうです。

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