人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

西友ストアよ、もう一度

今週のお題「復活してほしいもの」

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しばらく行かなかったら、閉店のお知らせが

 人は何かを失って始めて、その大切さに気付くものらしい。今の私の何かは「西友ストア」だと言っていい。先日も町を歩いていたら、二人連れの女性のうちのひとりが、「私、西友ストアがなくなったのが、すごいショックなのよねえ」と言うのが聞こえた。すると、すかさずもうひとりの女性が「そうなのよねえ、あそこがなくなったから不便でしょうがないのよ」と応じて、思うところは同じのようだ。それを聞いていた私は、「そうなのよ、私もあなた達と同じ」と言いたいところをぐうっと我慢した。

 考えてみると、私は西友ストアに行くのは月に一度ぐらいで、そう頻繁に行っていたわけではなかった。それと言うのも、あそこは家から30分以上かかるので、たいていは必要なものをまとめ買いしていた。家の近所にある本屋よりも大きめの書店に行く必要があったり、あるいはビデオを借りに行くときのついでに西友ストアに立ち寄っていた。あの店はJRの駅に近いのだが、歩くと5分以上はかかって知らない人にはわかりにくい。それに最近では少し歩くと激安スーパーができたようで、人の出入りが西友ストアより多いように見えた。それで私もどんなものかと店の中に入ってみたことがあった。確かに店先には野菜や果物などの激安商品を並べて、人の目を引いてはいるが、店内の品物は西友ストアとたいして変わりはないように思った。

 一、二度立ち寄っただけで、それ以来行かなくなった。西友ストアにたいして行かない私でも店の中の変化は薄々感じるようになった。明らかに以前と比べて、人が、お客さんが少なくなっていた。1階は食料品、2階は日用品で衣料品もあって、とても便利だった。とくに衣料品のTシャツやスエットなどはどこよりも安かったと思う。以前は2階にレジもあったのだが、しばらくしたら、会計は一緒に1階でまとめてすることになった。そうなると2階は品物が減って、それと同時に照明もなんだか薄暗く感じるようになった。それでも今から考えれば、2階の売り場があるだけでよかったのだが、その時チラッと心の中で「この店、大丈夫だろうか」と思ってしまったことも確かだ。

 あの時の戸惑いが西友ストアの閉店を予感していたのかもしれない。思えば、それまでレジは店員さんがするものだったのに、ある日突然”セルフレジ”というものが出現した。なんだかめんどくさそうと言うだけで敬遠して、会計は店員さんのいるレジの列に並んでいた。今ではセルフレジなんて、どこの店でも導入しているし、あれは最初は戸惑ってしまうが、慣れれば待つこともないのでとても便利だ。あまりに混んでいる時はセルフレジでもいいかと楽観していたら、ある日店のウインドウにお知らせが貼ってあった、『西友ストア〇〇店は11月末をもって閉店します』!! まさかねえ?!と思って何度も読んでみるのだが、やはり”閉店”と書いてあるから間違いない。

 それからすぐに頭に浮かんだことは「これからどうしよう!困った!」だった。何に困ったかと言うと、私はいつも西友で毎日の味噌汁に使うだし昆布をまとめ買いしていたからだった。明日から、これから、みそ汁のだしは何で取ればいいのか?私にとっては大問題だった。西友には”皆様のお墨付き”と言うプライベートブランドの商品があるのも魅力だったのだが、このだし昆布も西友にしかなかった。あの量であの品質で、398円はお得以外の何物でもない。さてどうするか。お知らせをよく見てみると、近くではないが都心にも西友の支店があることがわかった。他店でも同じような商品を捜してみたが、今使っている物に代わる商品はないので、都心の支店に行くことにした。運動と称して片道40分の道のりを歩いてそこにだし昆布を買いに行っている。ただ、残念なのはその支店の店舗には衣料品がほとんどないことだ。近くにはユニクロやGUがあるから仕方がないのかとも思うが、西友の商品はまたそれらとは違った良さがあった。

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