人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

暑すぎる南の島の思い出

今週のお題「暑すぎる」

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暑くてもそれでも南の島へ

 毎日暑い、いつもの夏に比べて暑すぎる、だから旅行は涼しい所に行きたいです。自由に移動できない今だからこそそう思うのかもしれません。しかし、振り返ってみると、夏休みで思い出に残っているのは、たいてい暑い所、それも海辺で過ごした日々です。暑いのが苦手で、子供の頃は学校の朝礼で最後まで炎天下で立っていられたことはありませんでした。そんな私がなぜ、あえて時間とお金をかけて暑すぎる南の島に行ったのか、それは何と言ってもあの群青の海、透明度抜群の世界を見るためです。

 もう何年も前に友達と3人で沖縄の西表島に行ったことがあります。1週間の滞在だったので、持って行く荷物を少しでも減らすために、予約したペンションに荷物を送ろうとしたのです。そしたら、いつもの宅急便の業者では離島は扱っていないらしく郵便局で段ボール2箱を送った覚えがあります。実際は現地に行ってそんなに荷物は必要ないとわかるのですが・・・。旅に出るときは誰でもワクワクしてしまうものです。あの時も那覇空港石垣島行きのフライトを待っていたら、どこからか南国の生暖かい風が吹いてきました。そしたらメチャクチャ私の旅情が刺激されて、「これから南の島へ行くぞ!」という高揚感で満たされてしまったのです。

水が何よりのごちそう!

 石垣島からフェリーに乗って西表島に着きましたが、人がいっぱいと思ったら予想に反して誰もいませんでした。地図を頼りにジャングルのような道をひたすら歩きました。南の島特有の暑さに襲われて、身体はヨロヨロ喉はカラカラです。「ここはもしかして人が住んでいないんじゃないの?」なんて思っていたら、ようやく自転車に乗った子供に出会えました。ペンションへの道を尋ねると間違っていなかったのでひと安心です。しかし、喉の渇きは限界に達していて、何か冷たいものが無性に欲しいのです。ふと見ると何やらお店らしきものが見えてきました。それはただの普通の家なのですが、食事処の幟が掛かっています。

 「アイスコーヒーはありますか」どうにも我慢できずに尋ねてみたのですが、無さそうなので質問を変えました。「何か冷たいものはありませんか?」すると「冷たいものは水しかないけど」とのそっけない答えが返ってきました。どうやらこの店は喫茶店ではなくて食事をするところらしいのだとようやく理解できました。それで、水欲しさに仕方なく、ソーキそばやら焼きそばなどを注文したのです。お店のおばさんが早速水を持ってきてくれました。念願の水を一口飲んでびっくり、ものすごく冷え切って冷たくて、美味しいのです。私たちはウワバミのようにがぶがぶ水を飲み、お替りを連発しました。そのせいであきれ返ったのか、面倒になったのか、とうとう大きなやかんを持ってきてくれたのです。

幻のソーキそば?

 思う存分喉の渇きを癒した私たちは、注文したソーキそばや焼きそばを食べることにしました。まずソーキそばを見ると、とても「美味しそう!」には思えません。何やらやたらと油が浮かんでいるので、脂っこそうな気がします。麺の上にデーンと乗っかっているチャーシューが脂の塊としか思えません、外見では。一瞬、食べるのやめようかとも思いましたが、覚悟して食べてみました。すると、見た目とは違ってものすごくすっきりして美味しいのです。信じられません、口の中に油の感触が感じられませんでした。それに麺もモチモチして飽きることがありません。まさに目から鱗が落ちる経験をしました。後日、また出かけて行ったのですが、店はもうやっていませんでした。だからまさに幻のソーキそばなのです。

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