人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

人の幸せにステレオタイプなんてない

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ヘタなテレビドラマを見るより面白い

 近頃の若い人たちはテレビを見ないそうだが、かくいう私も朝の情報番組以外はあんまり見ない方だ。テレビを目覚まし代わりにしているせいもあるが、何よりその日の天気予報が気になるからだ。それに前日の主なニュースをダイジェストで知ることができるので一石二鳥と言える。新聞もとっているが、何より何か他のことをしながら、耳だけ傾けることができるのがいい。そんな私もたまにはテレビを見るが、見る番組はだいたい決まっている。例えば、「家ついて行っていいですか」という番組で、これは相手が撮影を承諾してくれないことには番組自体が成り立たない。

 考えてみると、突然テレビ局の人にインタビューされて、自分の家を見せて欲しいと言われたら、誰だって戸惑う。まず、自分の家の状況を頭の中で想像してみて、果たして人様に見せられるだろうかと考える。普通の人なら、何も自分の家をわざわざ見世物にする必要なんてないと即座に「ダメです」と断ればいいだけのことだ。たぶん、いつでも、だれが来てもいいように整っているお宅でも、自分の家にテレビカメラが入るのには抵抗があるようだ。それで、常識のある人?は問答無用で冷たく断るのだが、もちろんそれはそれでいいのだが、たまに躊躇することもなく、家に電話して聞いてみなきゃだなんてめんどくさいことを言うのでもなく、すんなりとOKしてくれる人もいる。

 そんな優しい人たちのおかげであの番組は成り立っているのだと思う。彼らは、家が散らかっていても、けもの道ができていようと、気にすることなく「家について行っていい」と言ってくれるのだ。ごくたまに「散らかっているので、少し時間を貰えますか」とまで言ってくれる若い女性もいる。そのままの状態ではあまりにも恥ずかしいので、片付ける時間が欲しいと言う。そこまでしなくても断ればいいだけのことなのに、部屋を見せてくれるのはやはり人が良いからなのだ。断ったら相手に悪い?と思ってしまうのだと、清水ミチコさんも新聞で連載しているエッセイに書いていた。

 いつも思うのだが、それぞれの部屋はその人らしさで溢れていて、個性的で実に面白い。この番組に登場する人は皆ユニークで、「こんな暮らしもあったのか。こんな生き方もあったのか」と仰天することもしばしばある。当然のことながら、カメラは部屋の中にあるものをすべてクローズアップするので、生活が丸見えになる。見ている方としてはそこがまた他人の生活を覗き見しているようで、大変失礼ながら面白いところなのだ。はっきり言って、人気俳優を揃えたようなドラマを見るより、何倍も楽しめて勉強になる。皆それぞれ自分なりの楽しみを見つけて、それに満足して生きている人ばかりだ。だから、自分の部屋にカメラが入ってもいっこうに構わないし、気にしないのだろう。

 先日の放送では、まさかの一触即発の事態か!?と思われる場面があった。とある駅で「家ついて行っていいですか」と数名の男性グループに話しかけたら、その内の一人が家に電話をして奥さんに聞いてみると言う。だが、どうやら奥さんの了解を取っていないのに酔った勢いでとりあえず承諾してしまったらしい。タクシーを降りて、2DKのマンションのドアを開けたら誰もいない。それで奥にある部屋を開けてみると、奥さんは子供を抱いて後ろ向きのまま怒っていた。男性は「電話で行くって言ったでしょう」と訴える。だが奥さんは「いいって言ってない!」とおかんむりだった。スタッフが「お二人で話し合ってください」と提案して助け船を出した。

 その後、落ち着いたのか、二人して部屋から出てきてインタビューに答えた。「奥さんはこんな旦那さんのことをどう思われますか」「とても感謝しています」

 捕って付けたような、幸福な妻代表の模範解答なので思わず笑ってしまった。いやいや、そんなはずはないでしょう。すかさず旦那さんが「本当のこと言っていいから」と言うと、「世のお母さんたちの敵です!」この発言にはさすがの私も仰天した。いくら何でも、”敵”だなんて表現は想定外で、率直過ぎるのではないだろうか。

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