人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

親切な店員さん

思ってもみなかった満足感が湧いてきて

 昨日、改装して初めて行ったスーパーのことを書いた。旅行に履いて行くズボンを買いに行ったのだが、当然のごとく、売り場は以前とは全く変わっていた。だいたいが、ズボンそのものの種類が明らかに減っていて、今の流行りなのだろうか、ルーズなタイプのものがほとんどだった。ウエストがゴムなのではなく、ただダランとしているだけなので、なんだか頼りない。これでは買うものが無いではないかと歎いていたら、隅っこに、ちゃんとしたジーンズタイプのものがあったので、ホッとひと安心する。インディゴブルーと少し薄めの色のものを2本選んで、試着室に入る。履いてみると、思った通り、いい感じなので、この2本を抱えて試着室を出ようとした。

 その時ふとあることに気が付いた、ズボンはただ単に履ければいいというものではなく、裾の問題もあることを。そう言えば、以前私は失敗をした。その失敗とは、何も考えずに買って帰って、いざ靴を履いて、出かけようとしたら、裾が微妙に長すぎて、気になって仕方なかった。結局、そのズボンを履くのをやめて、別のに履き替えてしまった。それでどうしたかと言うと、2,3日前に買ったズボンをお店に持って行き、レシートを見せて裾の直しを頼んだ。それが、冒頭に書いた改装したばかりのスーパーの衣料品売り場のカウンターだった。そのスーパーの衣料品売り場の隣りには、リフォームコーナーがあって、そこで裾直しをしてくれるのだ。しかも無料でやってくれるので、とてもありがたかった。

 さて、私は危くまた以前のような失敗をやらかしてしまいそうになったが、かろうじて気が付いて事なきを得た。気を取り直し、もう一度ズボンを履いて、裾の長さをどれぐらいにしようかと思案する。左右とも4㎝程裾をまくり上げて、鏡で確認し、これぐらいでちょうどいいかと思ったので、試着室を出る。ただ、私にはひとつ気になることがあって、それは以前と違って、リフォームコーナーが無くなっていたことだ。それで、カウンターにいる店員さんに、「こちらで以前、裾の直しをしていただいたのですが、今もやっていただけるのですか」と尋ねた。そしたら、店員さんは何か勘違いをしたようで、いつお買い上げのものですかと聞かれてしまい、慌ててしまったが、すぐに誤解は解けた。

 幸運なことに、今でも無料で裾の直しはして貰えるとわかった。裾を適当にまくり上げたズボン2本を差し出し、「これくらいの長さでお願いします」というと、なんと、「もう一度履いて、ちゃんと測った方がいいですよ」と言われてしまう。「試着室で履いてみてください。ちゃんと測って差し上げますから」と促され、これくらいでいいみたいです、とズボンの裾をまくり上げる。さらに、「靴を履いてみた方がいいですよ」とアドバイスされて、言われるままに試着室から出る。すると、意外なことが分かった。私がまくり上げた裾の長さでは、靴を履いてみると、後ろから靴下が見えてしまう。どう見ても見映えが悪い。店員さんももう少し長めがいいようですねと私と同意見なので、裾は2cm程度直してもらうことにする。実はその時の私は少し短めの丈のジーンズを履いていて、その長さに合わせたために、ズボンの丈が短か目になってしまったらしい。

 カウンターに行くと、もうひとりの年配の店員さんが待っていた。その人はメジャーを取り出して、「こういうのはきちんと測らないと」と言いながら、ズボンの股下を測ってくれた。股下68㎝ですねと、直しの伝票に記入する。それを見ていた私は、人ごとのように、こんなにきちんとするものなのだと感心した。ズボンの丈なんて、どうでもいいと思っていたが、いや、丈が長かったら長かったで、裾をまくるなり、自分で直すなりすればいいと簡単に考えていた。だが、いざとなると、物凄く面倒臭い。ズボンを何度も履いて、試行錯誤し、店員さんに手伝ってもらって、やっとのことでズボン2本が買えた。家に帰ってからも一点の曇りもなく大満足で、店員さんに感謝するしかない。直しが終わったズボンを受け取るとき、思わず、「お世話になりました」と言ってしまった。

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