人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

台湾でタクシーに乗ったら

今週のお題「告白します」

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 いつまでたっても目的地に着かなくて

 私は人気観光地の台湾で、タクシーの運転手から嫌がらせを受けました。それは2~3年前の出来事で今ではもう笑い話でしかありません。でも考えてみると、姉たちがいてくれて、ひとりではなかったからそう思えるのです。あの日、私たち3人は台北のホテルに近い鉄道駅のタクシー乗り場から乗車して小籠包の有名店に行きました。この時のタクシーの運転手さんは日本と同じようにちゃんと自分の仕事をしていました。何の問題もなかったのです。ところが食事を終えて、店の前で待っているタクシーに乗り込んだところからとんでもないことになってしまいました。駅前にあるホテルまで行って貰おうとお願いしました。普通なら10分かそこらで目的地に着くはずでした。それなのに、少し走ったら急にUターンするではありませんか。明らかに逆方向に車を走らせて、駅からは遠ざかっていくのです。そしてまたもやUターンを繰り返したのです。「あの、まだなのですか?」と心配になって尋ねるのですが、適当に返事をして取り合ってはくれません。不安でいっぱいになりながら、外を見たらデパートのマルイが見えてきました。確かこの場所は九份(チウフェン)に行くときにバスに乗ったところでした。どうやら目的地に連れて行ってくれる気はないらしいのです。

 台湾は日本と比べるとタクシー料金が安いらしいのです。だからガイドブックにも気軽に利用しましょうと書かれてありました。ただこの時は料金の安さよりも、時間がかかってもいいから、とにかく目的地で降ろしてくれればいいと思っていました。右も左もわからない土地で知らない場所で降ろされたら、いったいどうすればいいのか。だからモヤモヤしていても我慢していたのです。でもその願いさえもかなわないようなのです。つまり、異国から来た中年の女3人をからかってやろうとしか思っていなかった、でもなぜそんなことを?わかりません、あの人は正気ではなかった、としか言えません。

タクシー運転手は頼りになると思っていたら

 もう我慢も限界になった私は車を降りることにしました。そしたら、平気でメーターに表示された料金を要求してきました。文句を言ってやろうかと思いましたが、相手にするのも嫌でした。早くこの場から立ち去りたかったのです。姉がタクシーを降りたとき、「あの人の名前がちゃんと書いてあったから、タクシー会社に電話してやろうか」と言いました。でもその時は「もう関わりたくないから、やめよう」と忘れることにしたのです。今にして思うと、あれは間違いなくセクハラで女性を馬鹿にしていたのです。私のような目に誰かが会わないためにも、タクシー会社に告発するのが正しい道でした。ただ、その勇気がなかっただけなのです。そのせいで、私の頭の中には「台湾のタクシーには女性は乗らないほういいのでは?」という考えが染みつきました。それにガイドブックにも、女性一人で乗ってはいけないとの警告が載っていたのです。でもどうしてなのかは何も書いていないので、私は自らその答えを見つける体験をしたわけです。

 私たちがタクシーを降りると、ちょうどそこに金髪の背の高い男性が待っていました。彼らは男女3人組で入れ替わりでタクシーに乗り込もうというのです。運よくタクシーが来たのでラッキーと思ったに違いありません。私は何か彼らに言いそうになりましたがやめておきました。きっと、あのタクシー運転手は男性にはあんなとんでもない態度をとることはないだろうと予想したからです。それにしても、見知らぬ土地で頼りになるはずのタクシー運転手に裏切られるとは思ってもみませんでした。私が幸運だったのは、台湾が初めての一人旅の場所ではなかったことです。もしも、ひとりでそんな目にあったのなら、恐ろしくて堪りません。「外国のタクシーは恐ろしい」と嘆く姉たちに、「そんなことないよ。こんな目に会うのはたまたまなのだから」と宥めても信じてくれません。それでもこれまでの経験から言うと、私にとってはタクシー運転手さんは何よりも頼りにしていい存在なのです。

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