人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

歯の漂白剤を使ってみたら

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まるで魔法の歯磨き粉のように思い込んで

 ある日、いつものようにネットでヤフーのニュースをみたり、あれこれと検索をしていました。そしたら、ある広告が目に飛び込んできました。それは歯を白くするという歯磨き粉の宣伝でした。そこには黄ばんでしまった歯の写真と、そのすぐ横にこの歯磨き粉で磨いた後の写真が載っていました。嘘のように光り輝くような白さの歯になれると言わんばかりの演出に呆れてしまいました。その時の正直な感想は「まさか!ありえない!」でした。市販の歯磨きで白くなれるのなら、ホワイトニングなんていらないのだから、とそう思いました。でも、テレビでよく見るタレントの男性も「一度試して!!」と勧めています。まるで歯科医院に行く必要などないと言われているのと同じです。それに実は以前から、歯の黄ばみが気になっていました。映画やドラマで俳優の白く光る歯を見ていたら、自分の歯が気になりだしたのです。彼らは仕事なのだから、歯に神経を使うのは当然ですが、一般人の私たちも白いほうが見映えがいいのは確かです。他人に与える印象が歯によって違うのなら、そしてそれが手軽な値段と方法でできるなら、「試してみようか!」という気持ちになります。

 何度も宣伝を見せられていると、だんだん「もしかしたら、少しは黄ばみが落ちるのでは?」などというささやかな希望の芽が生まれました。嘘のようにも見えるけれど、本当は凄い効き目なのかもしれない、などと頭の中を妄想が駆け巡りました。クリックして歯磨き粉のサイトを見てみると、今月分はもうすぐ売り切れ!の文句が出ていて、「お急ぎください!」との注意書きがありました。今なら特別価格で定価から60%引きで1480円、消費税を入れると送料無料で1700円近い値段です。騙されるにしても、自分の目で確かめて納得したいと思いました。それでも、効き目がないとわかっている商品を注文するべきかどうか、迷っていたのです。

 そんなとき私の背中を押してくれたのが、いつも取っている新聞の広告でした。こちらは特別価格で送料無料で980円でした。勇気を出した電話をしてみたら、なんと今なら2本で同じ値段でお届けできるというのです。不思議に思って「なぜそういうことになるのですか?」と聞いてみてもはっきりとした理由を教えてはくれません。1本にするのか2本にするのか選ばなくてはならないのですが、2本にすることにしました。なぜなら、1本はだいたい1か月分の量なので、すぐに次の商品が届いてしまうからです。それもまとめて3か月分の3本の歯磨き粉が届くシステムになっています。その場合の商品の値段はもう1本980円ではなく3000円なので、1万円近い金額を請求されてしまうのです。どう考えても、何の効果もない歯磨き粉3本に1万円は高すぎます。

 私の場合、次回の商品の発送日は8月1日でしたが、その10日前までに電話をして断らないと支払いが発生してしまいます。でも、心配はいりませんでした、使ってみてすぐに歯磨きの効果は幻想に過ぎないとわかったからです。ネットの広告では顧客の購買意欲を異常に煽るような宣伝がされています。例えば、歯磨き粉をつけた歯ブラシに汚れが付いてびっくり、まるで磨いたら汚れが簡単に落ちるかのような演出がされています。考えてみると、まるでキッチンハイターのように白くなってしまうなんて、歯だけではなく口の中全体が漂白されてしまいます。想像すると、そんな液体が口の中に入るなんて逆に怖いと思ってしまうのは私だけでしょうか。

 以前通っている歯科の先生にホワイトニングについて質問したことがあります。歯に白さを求めるかどうかは個人の価値観の問題だそうです。どうしても気になる人、あるいは白くなることで自分に自信がもてるようになると信じて疑わない人には意味があるとの見解です。費用は上下で2万円ほどかかり、マウスピースを作って何週間もそれをはめるのだそうです。薬剤を塗ってマウスピースを被せて、歯が白くなるのをじっと待つのです。歯に染みついた汚れはそんなにすぐには落ちないのだとわかりました。それから、悲しいことに白くなった歯は、早い人だと2週間で黄ばみが付いてしまいます。そうなると、歯を汚さない対策が必要なのですが、現実には難しいのです。だから先生は自分からホワイトニングを勧めることはしないのでした。

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