人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

無料のチケットと宝塚

f:id:mikonacolon:20200218131729j:plain

舞台の目の前で居眠りを

 以前知人にお芝居のチケットを貰って見に行ったことがあります。その日ちょうど用があってどうしても行けないとかで、偶然にも私に回ってきました。普通なら断るのですが、劇場がちょうど駅のそばにあって便利なので行くことにしました。お芝居の題名は忘れましたが、原作が遠藤周作ハンセン病の療養所が舞台のミュージカルでした。たしか青年座という劇団が主な出演者で、特別ゲストとして元宝塚の女優さんも何人か出演していました。

 題名どおり暗い話なので客席も静まり返っています。私は前から3列目で結構いい席なのですが、ふと前の方を見るとなんと大半が居眠りをしているのです。それで、もしかしたらこの人達は自分でチケットを買ったのではなくて、招待券をもらってきているのではと思ったんです。確かに笑える話ではないので興味がなければ退屈で眠くなるのもわかります。でも舞台の目の前の席なのですから、出演者の方たちにあまりにも失礼な、というかマナーがなっていないのではないでしょうか。

演奏者に帰れコールを

 失礼な話と言えばうちの姪から聞いたのですが、大学の記念講堂でコンサートがあって著名なピアニストの演奏を聴く機会があったそうです。学校側は教育のプログラムとして生徒に素晴らしい演奏を聞いてもらおうと企画しました。有名な外国人ピアニストがわざわざ学校に来てくれたので姪はワクワクしていました。ところがコンサートが始まると、ちょっとしたトラブルがあったそうで、一部の生徒が帰れコールを始めました。そしたら、ピアニストは怒って帰ってしまったのだそうです。せっかくの機会を失ってしまったし、あんな失礼なことをするなんてひどすぎると怒りが収まりません。

聞いているのが辛くて

 さて、話をハンセン病の劇に戻すと、出演していた青年座というのはまだ俳優の卵みたいな人達ではないかと思うのです。なぜかと言うと、俳優が歌をソロで歌っているときにあまりにも苦しそうだからです。声量がないのに、無理やり声を張り上げようとするので苦しくなってしまうのです。これからもミュージカルをやるつもりなら歌の発声法を一から勉強する必要があると思います。一生懸命やっているのはわかりますが、聞いている方としては気の毒で仕方ないのです。つまり心が痛くて、疲れるのです。安心して見ていられないのです。

 そして、場面が変わって、元宝塚という女優さんが登場するとその声量と歌のうまさの差は誰が見ても明らかなのです。さすがに宝塚は普通の人とは違うのだといまさらながら気づかせてくれます。友達の妹が宝塚劇場に勤めているので、時々タカラジェンヌの噂話を聞くことがあります。宝塚は給料は決して高くないけど、ファンが彼女たちにマンションや車をプレゼントしてくれるので生活の心配はないのだとか。「あなたはそんなところに住んでいてはダメよ」と世話を焼いてくれ、ふさわしい場所を提供してくれるのだそうです。

 人から貰ったチケットで行ったお芝居は素直に、「素晴らしかった、楽しかった」とは思えませんでした。でも何といってもタダなのですから文句は言えません。

 

mikonacolon