人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

「地球の歩き方」は旅の始まり

f:id:mikonacolon:20200916215315j:plain

インターネットがない時代の情報収集は

 書店で旅行のガイドブック「地球の歩きかた」を手に取ったら、その時はもうすでに旅の準備が始まっていました。初めての海外旅行はイタリアでした。当時はまだインターネットが普及していなくて、まずは書店で「地球の歩き方」を買い、同じ棚に並べられている旅行記をむさぼり読んでできるだけ現地の情報収集に努めました。都心にある大型書店なら、椅子に座って読むことができるので助かりました。その中で特に気に入ったのはイタリアに移住するつもりで家を買ったご夫婦の話でした。ご主人が何年もイタリアで仕事をしていた関係でとても気に入っていたので自然の成り行きだそうです。ところが現地に着いたら、まだ住める状態ではないことがわかったのです。それで移り住む家の準備ができるのを待つ間、2週間程度の旅行をすることにしました。

夫妻の旅行記に誘われて

 夫妻が旅の行先に選んだのは日本のガイドブックには載っていない場所だったので、余計にこちらも旅心をそそられました。その内容は海あり、山ありで、読んでいてこちらも楽しめたのです。写真などあまり載っていないのにも関わらず、モンテロッソ・アルマーレとアオスタに魅せられてしまいました。まるで天国のような青い空と海のモンテロッソと下界は夏なのに上界は猛吹雪のクールマユールは衝撃でした。アオスタからバスに乗り、クールマユールにモンブランを見に行ったのです。

 そうなんです、私にとってのイタリアは、ローマでもなく、フィレンツェでもないのです。もちろんサンピエトロ寺院もウフィツィ美術館も名所と言われるところは一通り行きました。夫妻の旅行記の中に夫が妻に「どこが一番よかった?」と尋ねる場面があります。その質問に妻は即答します。「モンテロッソ・アルマーレが素晴らしかったあそこにはもう一度行ってみたい」

 その言葉に背中を押されて、何とか行ける方法はないかと思っていたら、イタリア政府観光局というものがあることを知りました。最初は入るのに躊躇していたのですが、ドアを開けたらフレンドリーな雰囲気で、「私は歓迎されている」と思えて気が楽になりました。パンフレットを何冊も貰って帰り、2週間程度の(実際は18日に延びたのですが)の旅行計画を立てました。計画と言っても海外旅行は初めてなのでホテルや列車の手配をどうすればいいのかわかりません。

旅行代理店が頼りだった

 そんな時は「地球の歩き方」の代理店の旅行社が相談に乗ってくれました。当時はホテル代は前もってチケットを買うやり方で現地では支払いはしませんでした。列車のチケットも手数料を払って購入していたわけですが、今思えば高い買い物をしていたものです。何回か旅行社を利用して満足していたのですが、オーストリアのウィーンからスロバキアに行く路線が買えないことがあったのです。「当社では手配できません」と言われて困ってしまいました、まさにピンチに陥りました。

 それでトーマスクックの時刻表に載っていたオーストリア国鉄のサイトにアクセスしてみたのです。列車の時刻を調べるためだったのですが、チケットが買えることがわかりました。それも家まで届けてくれるというサービスの良さ!国際郵便書留で、手数料わずか1.5ユーロで!とても信じられなくて感激したことを覚えています。

 何度か購入して、一度送られてきたチケットが日付が間違っていたことがありました。その旨をメールで伝えると、すぐに正しいものを送ってくれるという返事がきました。その後期待を裏切ることなくチケットが無事届いたので、私のヘタなドイツ語も少しは役に立ったようです。遠く離れた外国なのに迅速な対応をしてもらえる、そんな時代があったのだと懐かしく思える出来事でした。それから、サイトでチケットが買えるとわかって以来、もう旅行社には行く必要はなくなったのです。これって「ピンチはチャンス」と言えるのでしょうか。

mikonacolon