人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

バンパイア・デバイス

これからどうなる?我が家の電気代

 バンパイア・デバイスって何だろう?とある日の夕刊を見ていて思った。バンパイアは文字通り吸血鬼のこと、ではデバイスはと言うと機械とか機器のことだとだいたいの予想は付く。つまり、血を吸う物体で、ここでの「血」は電気だ。吸血鬼が人の血を吸い取るようにその機器を使っていない待機モードの状態でも大量の電気を吸い取ってしまう機器、それをバンパイア・デバイスと呼ぶそうだ。

 家庭の中を見回すと、テレビ、ビデオ、エアコン等、待機モードになっている家電を数え上げればきりがない。24時間いつでも対応できるように、やる気満々で私たちの命令を今か今かと待っていてくれるので、実にありがたい。だが、その一方で、そんなにたくさんの家電が指示待ち体勢でいてくれるのだから、電気代も馬鹿にならないのではないか。などと一瞬考えてはみるが、所詮その場限りの思いつきで、すぐにどうでもよくなるのがおちなのだ。昨今は電気代がどんどん上がっていて、仕方ないかと知らんぷりを決め込もうと思ったが、来年はさらにその上げ幅が加速度を増すとの予測に鈍感な私も何かせねばと危機感を抱いている。

 だが、果たしてすべてのプラグを抜けるかどうかと言うと、甚だ自信がない、というか現実味がないのだ。テレビを目覚まし代わりにしているし、ビデオの録画予約もしているし、エアコンに至っては下手にプラグを抜いたらいざ使おうという時に壊れますよと誰も彼もが指摘する。となると、実際にプラグを抜けるのは、洗濯機、電子レンジ、パソコン、スマホやICレコーダーの充電器ぐらいなものだ。炊飯器は予約炊飯になっているから、ほぼ24時間体制で電気を使っている。これでは待機電力を何とかゼロに近づけるなんてことは不可能に近い。電気代を少しでも減らしたいのがやまやまだが、現実の生活がそれを許さないのだ。いや、というよりも当方にとって甚だ不便極まりないのだ。便利な生活が当たり前で、その快適さにどっぷりつかってしまった当方には耐えられないのだ。

 となると、待機電力を減らすよりも、懐は痛むがさらなる出費を受け入れるしか方法がないのではなかろうか。だが、バンパイア・デバイスというタイトルの『令和なコトバ』というコラムを読んで仰天した。待機電力を実際に計測してみた結果はというと、意外にもそれほど電力を消費していなかったのだ。例えば、2018製の50型テレビの場合、待機電力は24時間で0.07円というから、その安さに目から鱗だ。家事節約アドバイザーの矢野菊野さんによると、「資源エネルギー庁の調査で家庭の消費電力のうち5%以上が待機電力と言われたのは10年前のこと。今はテレビなども待機電力をあまり使わない商品が主流です」ということだ。

 とはいえ、当方の家電はどれもこれも10年以上前に買ったものだ。最新家電のようには省エネできているとはとても思えない。そもそもが電気を大量に使う生活を改めることが求められているのであって、家電を新しくすればすべて解決するというようなそんな安易な問題ではないのは明かだ。電気を大量に使う、いやどうしても使わなければならないのは暖房で、まさにこれからの季節は悩ましい。寒いのは誰だって嫌だが、月末に電気の請求書を見るのが恐ろしくなるのだ。なんとか電気代の安いホットカーペットとあったか毛布で冬をやり過ごそうと頑張るのだが、いかんせん気温の急降下には太刀打ちできない。室温が零度に限りなく近づくと、震え上がって、エアコンのリモコンを探してしまう。

 今年もいつの間にか11月の中旬にさしかかり、季節のわりには暖かい日が多くて助かっている。陽だまりの中に居るような気分だが、12月に入れば否応なく、突然の嵐のごとく寒さが襲ってくるのは間違いない。そんなときは決まって、覚悟はしていたはずなのに慌てふためき悶々としてしまうのだ。身に染みるさ寒さを受け入れることできなくて、心の中に嵐が吹き荒れる。

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