人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

今行きたい国は中国

今週のお題「行きたい国・行った国」

現実はどうなるかわかりませんが・・・

 考えてみると、姉から誘われた台湾旅行がきっかけで仕方なく中国語を始めることになった。それまでの私はアジア圏には興味がなくて、ひたすらヨーロッパに目を向けていた。高校生の頃当時買っていた雑誌りぼんの巻末のページにペンフレンドの紹介をする広告が載っていた。英語で文通をする相手を紹介してくれるのだが、自分で国は選べなかった。紹介された相手がどこの国の人であっても、一応は手紙を書かなければならない。確か最初の相手はマレーシアで、次はフィリピンの女の子だったと思う。せっかく手数料(当時は500円くらいだったと思うが)を払ったのだから、あまり気が進まなくても簡単な自己紹介の英文を書いて送った。

 すると、すぐに相手から返事が来て、相手の写真が同封されていた。手紙には私のことを歓迎する趣旨のことが書かれていたが、残念ながら私にはその気はなかった。返事を書かないのだから、それで終わりで、再度、国際文通協会に次の相手を紹介してもらうために申し込みをした。それをくり返していたら、アメリカやベルギーの女の子と出会えて、やっと私は満足した。

 そんなわけなので、私の頭の片隅にもアジア圏に旅行に行くなどという考えはなかった。でも姉がどうしても行きたいと言うので、それならと重い腰を上げざるを得なかった。旅行の計画と同時に中国語の勉強を始めた。6カ月先の旅行のためだと思うと、にんじんを鼻先にぶら下げられた馬のようにテンションが上がった。人間はどうしてもやらなければならない場面ではモチベーションが向上し、ある意味で恍惚とした気持ちにもなれるものなのだと知った。要するに勉強が楽しいのだ。あろうことか中国語の訳の分からない簡体字がなんだか面白く思えてきた。

 その頃ちょうどテレビでも中国の時代劇がやっていて、以前にも『三国志』を見てとても面白いと感じていた。正確に言えば、それらは『三国志』とはまた別ものなのだが、それはそれでまた魅力的に思えてくる。何がいいかと言うと、宮廷内部のウォッチングが楽しい。策謀と愛憎うず巻く宮廷で繰り広げられる人間模様ではなくて、その舞台である宮廷の内部の風景や調度品にとても興味がある。金ぴかの一対の鶴や獅子、天井からはドラゴンがまさに降りてこようとしている。皇帝が収集している数多の壺のコレクションも素晴らしく、いつまでも見ていたいと思う。

 私が中国に行きたいと思った原点はそれらを存分に見たいからだ。となれば、中国で最初に行くべきところは北京の故宮に他ならない。以前無料動画サービスのGAOで『宮廷のめいび』というドラマを見たことがある。主人公の建築デザイナーの若い女性は故宮に行くのが趣味で、自分の庭のようなものだと言っていた。噂に聞いたところによると、故宮は恐ろしく広大で、移動にも時間を要する場所だそうだ。正直言って、まだ北京のガイドブックも買っていない。旅行の計画の初めの一歩さえ踏んでいないのだ。なぜならまだそういう状況ではないからで、先日立ち寄った大型書店の旅行ガイドのコーナーでも、外国のガイドブックの棚は見えない場所に追いやられていた。世間ではコロナ禍が終わったかのように言われているが現実にはなかなか以前には戻れてはいない。

 生来飽きっぽい性格の私は最近中国語の勉強が疎かになっている。全くやる気にならない。目指すべき目標が霧の中なのだから、モチベーションを維持するのが困難なのだ。その代わり興味の矛先は英語へと向かい、予想外に楽しくて自分でも驚いている。そして可笑しなことに中国ドラマを英語字幕で見ている。中国の動画サービスのアイチーイーだから仕方ないのだが、いずれは中国語字幕で見たいものだ。要するに今は待機の時で、いずれそのうちに必ず行ける時期が来るはずだ。それまでは動画配信サービスで中国ドラマでも見て楽しむとしようか。

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