人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

サンセバスティアンで気候変動に遭遇

天国のような保養地にも異変が

 2023年、11月2日木曜日、午前9時55分

 今ケーキ屋さんにいますが、物凄い雨です。こんな時に歩いたら、ずっぽり濡れてしまいます。雨宿りしたほうがよさそうです。なかなか止みそうにありません。それどころか、より激しくなってきました。風もすごいです、まるで台風のよう。皆、中に入ってきました。ドア一つ隔てた席にキックボードに乗ってきたと思われる青年が座っています。彼も外の様子をじっと眺めています。少しの間は動けそうにありません。ここは市庁舎のすぐ側にあるケーキ屋さん。近くにはメリーゴーランドがありました。でも、今は撤去されています。

 上記は私が旅行中のサンセバスティアンで書いた、日記と言うか、単なるノートの走り書きに過ぎない。でも、この時の私は、見たこともないサンセバスティアンの異変をひしひしと感じていた。あの時の私は、いつものように街を散歩するつもりだった。もちろん、あいにくの天気で小雨が降っていたが、観光客の私はそんなことを気にしていられるはずもない。前日やっとのことで無人ホテルに落ち着いた私は、気持ちを切り替えて外に視線を向けて動き出した。15分ほど歩いたら、コンチャ湾に近い街の中心に出た。ふと見ると、舗道にある店のテラス席で、数人がお茶を飲んで談笑していた。まだ空いている席があったので、私もそこに座ろうと思った。その店が冒頭で書いたケーキ屋さんだ。店に入ってすぐにカウンターでクロワッサンとカフェラテを注文し、テラス席を希望すると、後で持ってきてくれると言うので一旦外に出た。ところが、状況は一転、信じられないことにそこは暴風雨の最中で、先ほどまでテラス席にいた人たちは何処かに消えていた。

 目の前の無残な光景を呆然と見つめる私に、店員さんが声をかけて、店の中に促してくれる。そこはケーキ屋さんと言っても、イタリアのバールのような形態になっていて、あまり数は多くはないがカウンター席と壁際にあるテーブル席がいくつかあるだけのこじんまりした店だった。本当なら、テラス席でゆっくりしたかったが、この悪天候では無理なので諦めるしかない。なので、ちょうど空いていた(この時はまだ客が少なかった)壁際のテーブル席に座った。テーブル席と言っても小さくて、何とか座れる程度の椅子だが、座れるだけでも幸運というしかなかった。

 外の暴風雨が収まるまでと、待っているうちにどんどん店にお客さんが入ってきて、店の中は満員状態になった。となると、そう長居はできないなあと思いながら躊躇していたら、私の後に入ってきたキックボードの青年が席を立った。なので、彼に釣られたような感じで私も店を出た。外の様子はと言うと、少し前よりは雨は小降りになったが、風は依然として強く吹いているので、まともに傘がさせない。それで、どうしたかと言うと、またもやケーキ屋から歩いてすぐのところにあるカフェに入るしかなかった。でも、ここは普通のテーブル席の店だったので、そう急かせられることもない。ここで、どうしようもなくフレンドリーなプードル犬とも出会った。もちろん犬の飼い主の女性も気さくな人だ。ここで少し疑問が湧くのだが、飲食店に犬を連れて入ってもいいのだろうか。日本では確か、禁止されているはずだが、ここサンセバスティアンではOKのようなのだ。 

 考えてみると、外国では、日本の新幹線に相当する主要列車に犬を連れて乗っている人をよく見かける。それも小型犬ではなく、ゴールデンレトリバーのような大型犬を。もちろん犬もお行儀よくして、他の乗客に迷惑をかけないようにしつけられているのだが。そうとなれば、カフェのような場所でも構わないのではないかと思いたくなるのが自然だ。これは余談だが、昔から自転車専用車両もちゃんとある。その点において、自由自在に活用できる便利な移動手段と言える。

 どうやら、話が紆余曲折して、肝心なことを書き忘れたようだ。この話の続きはまた明日書くことにしよう。

mikonacolon