人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

図書館を利用するようになった

今週のお題「変わった」

ネット予約は想像以上に便利、これを使わない手はない

 先月から図書館のネット予約を利用して、本を借りて読んでいる。実を言うと、今までは滅多に図書館を利用したことはなかった。以前ふと思い立って、図書館にでも行ってみるかという気になったことがあった。たいして期待することもなく、ふらっと入って、覗いてみたら、予想通り自分の読みたいような、好奇心をそそるような本は見つからなかった。やっぱりそうか、使えないなあ、これだから図書館なんて来ない方がいいんだと軽率にも思っていた。この時の私はいつも行く本屋に行っても読みたい本が見つからず、かと言って適当な本を2,3冊買う気にもならなかった。それにもうこれ以上、積読の本を増やしたくなかったからだ。そういうことで、じゃあ、あそこにあるとは思わないけど、とりあえず図書館にでも行って見るかという思考に行きついた。

 私の図書館に対するイメージは”高齢者の方たちの居場所”であり、まるでオアシスみたいなところだった。学生の頃、図書館で勉強しようと思って、閲覧室に行ったら驚いた。一生懸命勉強に励んでいる若者の隣りで高齢者と思われる方が居眠りをしていた。ようく見てみると、大半は高齢者の方たちで、新聞や雑誌を読んでいるというよりも寛いでいる人の方が多かった。まあ、閲覧室と言えども、”ここで寝ないでください”という注意書きはないので、カラスの勝手でとやかく言う権利は誰にもない。そんな高齢者の方たちのための場所だとばかり思っていた図書館も、夏休みなどの長期休暇に入ると、状況は一変する。こんなにもどこから集まって来たのかと感心するくらい大勢の学生が図書館の前に長蛇の列を作る。何のためにそうするのか、要するに閲覧室の限りある席を求めて、開館時間前から並んでいるのだ。昨今は高校生でもスターバックスのようなカフェで勉強するのが当たり前の世の中だそうだが、私が長蛇の列を目撃したのは遥か昔のことだ。

 ところが、ある日”図書館は使えない所”というステレオタイプな思い込みを覆すような事態に遭遇した。それは新聞に載っていた「図書館を利用していますか」というアンケートの記事だった。大変嘆かわしいことだが、はっきり言って現在の新聞愛読者はほとんどが40代以上の方たちで、それも60代以上の高齢者の方たちが大半である。なぜそう言えるのかと言うと、新聞の投稿欄を拝読していると鈍感な私でもはっきりと感じることができるのだ。それはさておき、アンケートでは60%の人がネット予約を利用していると知って、私は目から鱗だった。さらに今話題になっている新刊書やベストセラーなどはすべてネットで予約して、順番を待って読んでいるとの利用者の声には椅子からひっくり返るほどの衝撃を受けた。皆そんなふうに図書館を利用しているのかと困惑し、本は書店で買うもので、図書館は時代遅れだと錯覚していた私にとっては無理もないことだ。

 つまり、私は図書館のことを何もわかっていなかったのであり、勝手にそんなものと思い込んでその実態を知らなかっただけのことだ。公立図書館のサイトに登録して、ネット予約をしてみると、毎月図書館には多くの新刊本が入ってきて、もちろんその中には芥川賞直木賞などの作品も含まれていて、すぐには無理でも首を長くして待っていれば、必ずお目当ての本が読める仕組みになっていることが分かった。新刊本についていえば、予約が殺到するのは一時期だけで、2,3年もすれば、貸出OKになる本が多いことも薄々わかってきた。新刊本が全て予約が殺到するわけでもなく、人気がない本でも自分にとっては興味津々の本もあるので、新刊資料をチェックして自分好みの本を探すという楽しみも新たに生まれた。

 先日、新聞の投稿欄に年金生活者の方がこう書いておられた。「単行本は高くて手がないので、いつも文庫本を毎月10冊ほど買っていました。でも昨今の物価高でさすがに苦しくなり、今は図書館で借りて読むようになりました」。こんなご意見を読んで、私はなるほどなあと、深く頷くと同時に、書店で本を買わないことに罪悪感も抱いてしまう。なので、絶対欲しい、読みたい本は書店で買って、よさそうだけど、どうだかなあというような見極めが難しい本は図書館で借りて読む、というように使い分けようと思っている。

mikonacolon