人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

避暑地で見つけた幸せ

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失意の作家が避暑地に

湖が美しい避暑地にある著名な作家のモンテ・ワイルドホーンがやって来るところから物語が始まります。モーガン・フリーマンが主演する映画「最高の人生の始め方」を見ました。彼を心配した甥に勧められて、夏の間だけ知り合いの家を借りて過ごす予定です。作家は昔はともかく今は創作意欲がまったくなく、アルコールなしでは生きていけません。そんな彼が隣に住む家族に出会って変わってゆく過程が大変興味深いです。燐家の家族は美人の母親と3人姉妹で、2番目の娘フィンが作家に興味深々で近づいてきます。最初は相手にするのが面倒な様子だった作家もだんだんとその気になっていきます。さすがに作家は作り話で彼女を翻弄するのですが、彼女はまじめに取ってしまて彼はバツの悪い思いをするのです。彼は若い頃事故にあって車いす生活なのですが、実は歩けてそれが保険会社にバレるとまずいのだ、なんていうのです。そして彼女に「私が走る姿が見えたのか?」と質問して、もしそうなら私のもくろみは成功だなどと言うのです。それは人を欺くことではと詰め寄られると、お話を作ることはまさにそういうことなのだと教えるのです。

想像力の授業をする

「私にお話の作り方を教えてくれない」とフィンは作家に頼み込みます。すると作家は自分に見えないものを捜すようにというのです。見えるものではなくて見えないもの、つまり想像力、イマジネーションをめいっぱい働かせてみる、そうすると自分の世界が自然に出来上がってしまうのだと。お話を作ることは「見えないもの」を捜し続けることで、自由でいい、とんでもなくていい、常識に縛られなくていいとアドバイスするのです。そしてフィンは見事に即興でお話を作って見せます。すると、彼女を「なかなかよかった」とほめた後で、いつの間にか自分は本当に良い指導者だと自画自賛するようになりました。自分の家に戻るとさっそくタイプライターに向かって、末娘のためにお話を打ち始めました。それはフィンを指導しているうちに、彼の眠っていた創作意欲に火がついてしまったからです。そして燐家の母親シャーロットがあまりにも魅力的なので好きになってしまったようです。嬉しそうに彼女に原稿を渡す老作家は、なぜか車いすではない自分が彼女とデートする夢を見るのです。

幸せの居る場所で暮らす

老作家は昔の創作意欲を取り戻し、アルコールとも縁を切る決意をしました。美しく豊かな自然と燐家の家族との交流が彼の心に変化をもたらしました。何でもない日常の中でのコミュニケーションが煩わしい時もあるでしょうが、やはり人は人でしか救われないのだと思います。人は傷つくとどうしても、ひとりでいいと自分の世界に閉じこもってしまいがちです。でも最後には人のぬくもりを求めて外に出て来るのです。美しい曲をピアノで弾いて聞かせるシャーロットとお気に入りの自然と自分の弟子のフィンが居る場所に彼は再び帰ってきました。そこが自分がいるべき場所だと確信したのです。

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