人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

なちさんのひっそり暮らし

今週のお題」わたしの部屋

f:id:mikonacolon:20220414205314j:plain

”年収300万台にして、年間100万円を貯金”

 先日本屋にふらっと立ち寄った。お目当ての本は「お金の貯まる人はなぜ部屋がきれいなのか」だったはずなのに、なぜか手に取ったのはなちさんの「ひっそり暮らし」だった。ちょうど、ブログの今週のお題が「わたしの部屋」ということもあって、他人様の部屋がどうなっているか気になった。表紙には部屋に置いてあるベッドとその上に猫が一匹に乗っかっているだけのシンプル過ぎる写真が載せてある。著者はなちさん、聞いたことがない名前だ。よく見ると、なちさんは人気ブロガーで、今まで書き溜めたものが一冊の本になったと書いてある。へえ~?私は全然知らなかったので、その人気の秘密を知りたくなった。

 それでついついパラパラと読み始めたら、周りを気にもせずに読み耽ってしまった。なちさんは自分の生活スタイルを自身のブログで発信しているショコラさんとは違って、とても若いことにまずはびっくりした。平成生まれというからまだ30代前半で、ファッションにも恋愛にも興味津々のお年頃のはずだ。だが、なちさんは熱帯魚と猫を飼っていて、一番の楽しみは自分の部屋に帰って、猫と遊ぶことだ。休日もほとんど外出せずに家でネコとゴロゴロしているのが至福の時だと言う。こう書くと、なちさんは将来のことなど考えずに今を生きている、つまりその時々を刹那的に生きているのではないかと誤解されるかも知れない。でもそれは表面だけで頭の中には堅実な人生の計画があることに感心させられる。

 そんななちさんも20歳の頃は貯金がゼロで、後先考えず欲望の赴くままに買い物をしていた。その結果いつも金銭的に困っていた。その生活を根本から考え直すきっかけになったのが、何なのかは残念ながら書いていない。いずれにしても、なちさんは20代で中古マンションを手に入れて、リノベーションして今の生活を楽しんでいるわけだ。それと同時に資格の勉強にも余念がなく、ファイナンシャルプランナー宅建の資格を手に入れた。そのせいなのか、家計管理には手を抜かず、今流行りのスマホのアプリを活用して無駄のない暮らしを実践している。60代のショコラさんは月12万円でやりくりし、なちさんは14万円だが、驚くべきことは車を持っていることだ。一般的に車を所有するとガソリン代や車検で費用が年間20万ほどかかると言うが、なちさんには負担となってはいないらしい。車を持つことがリッチ?なのかどうかは分からないが、おそらくなちさんには必要不可欠なものなのだろう。

 もちろん月々のマンションの4万何千円かのローンの支払いもあるが、家計簿の項目を見てみたらあることに気が付いた。それは食費が物凄く安いことだ。なんと月一万円!?で、いくらひとりでも今の物価高でこの金額で何とかするのは至難の業だ。まあ、私にはどう考えても不可能なのだが、なちさんはあくまでも想像だが小食の部類に属する方なのだと思う。本の中に時々ご本人かと思われる写真が出て来るが、顔は出ていないが、なんだかほっそりした女性のようだ。朝食のメニューも紹介されているが、私にはウサギのご飯のようなヘルシーな物ばかりだった。大変失礼な言い方だが、あれでは腹の足しにもならない。なので食費に関してはとても真似することはできない。

 知らず知らずのうちに、夢中になって読んでしまった理由は、なんといってもなちさんの生き方そのものに共感したからだ。まずは自分の足で立つということ、誰にも依存せず自分の稼いだお金で生活していこうと努力し、かつそれを実践している、そのこと自体が素晴らしい。誰だって自立して、許される範囲の中で自由に生きたい、そんなことは誰だって思っては見るが、現実は問屋が卸さない。願っても、欲しても、どうしても得られないのが自立なのだとしたら、その点において,なちさんは成功者であり、稀有な人なのだろう。

 なちさんは今の時点で、年間100万円の貯金ができている。何のためかというと、予期せぬ事態に備えるためだが、もちろん老後の資金を貯めるためでもある。だが、そんな抜かりのない思考の持ち主のなちさんでも不安になることがあるらしく、それは年金プラス預貯金でちゃんと暮らしていけるかということ。いくらファイナンシャルプランナーの資格を持ってはいても、先の先まで見据えることは容易ではないらしい。それと、意外だったのは、今流行りの投資には手を出していないことだ。

mikonacolon