人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

ロシア旅行のほろ苦い思い出

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▲モスクワの地下鉄コムソモーリスカヤ駅

親友と一緒には旅行に行かない方がいい

 「親友と一緒には旅行に行かないほうがいい、友情を壊したくなければ..」ということを何かの本で読んだことがありました。特に日本と環境が違う海外には行かないほうが賢明だというのです。便利で何もかも至れり尽くせりの日本にいるからこそ友情は続くのだそうです。確かその本に書かれていたのは、真冬のパリに旅行に行き、暖房の行き届かないホテルに泊まってしまった親友同士の悲劇でした。お互いに責任を押し付け合って、相手を思いやることもできずに結局はけんか別れしてしまったのです。その時はそんな話は他人事だと思っていたのですが、今度は自分が身をもって体験することになりました。

 

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▲コムソモーリスカヤ駅の内部

日本との違いが理解してもらえない

 親友は普段から車の生活なので歩くのがあまり好きではありません。それで旅行があまり好きではないので彼女とは海外旅行に行ったことがないのです。そんな彼女が私が出したモスクワの地下鉄の絵葉書に感激しました。宮殿のような地下鉄の内部をぜひ見てみたいというのです。ロシアに行きたいから連れて行ってと言われてとてもうれしくなりました。気心も知れた彼女となら楽しい旅になるだろうとワクワクしていました。

 最初のすれ違いが起きたのはモスクワのホテルでのことでした。私たちが行ったのは6月で中途半端な季節でもあり、シャワーのお湯があまり出なかった時期でした。海外旅行の経験が豊富な方なら、”郷に入っては郷に従え”と割り切れるはずです。ですが日本での生活が当たり前の彼女にわかるはずもないので、「こんなぬるいお湯ではシャワーはできない」と怒りました。さらに「すぐにフロントにいって何とかしてもらって」と命令しました。ものすごい剣幕なので何も言えず従うしかありませんでした。

こんな朝食では食べられない

 次のすれ違いはホテルの朝食のときでした。外国のホテルの朝食というのはどこでもたいして変わりはありません。ふつうはパンとコーヒーぐらいで、あとはハムやサーモン、果物があれ上等といえます。日本のホテルのビュッフェ形式のようなすばらしい食事を期待することはできません。なのに彼女はそれを外国に来ても要求したのです。「私がいつも食べているのはもっとちゃんとした食事なのよ、こんな朝食では食べられない」と文句を言って機嫌が悪くなってしまったのです。確かに彼女の言い分はもっともですが、ここは日本ではないので切り替えるしかないのです。

言うことを聞かなくて困った

 サンクトペテルブルクでもすれ違いは起こりました。自分自身が磁石のように方角が分かるらしい彼女は、街を散策中にも私の指示には従ってはくれませんでした。方角に絶対的な自信を持っている彼女は地図を広げて説明しても納得してくれません。これには本当に困ってしまって、挙句の果てに道に迷ってしまいました。そして、運河のほとりで転んで膝を擦りむいてしまった時も、心配してくれるわけでもなく気づかないようでした。この旅行中ずうっと彼女と一緒に来たことを後悔していました。時には夜ベッドで涙が止まらなかったこともありました。楽しいはずの旅行が悪夢になってしまって、その後はケンカ別れです、それも私から一方的に。

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