人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

簡単に済むと思っていたのに

電子レンジが未だに届く気配なし

 ネットで電子レンジを買ってしまった。いつものように、都心の家電店に見に行けばいいのに、面倒臭かったので、ついついそうしてしまった。今の世の中は、店に行かなくても、ほとんどのことがネットで間に合う時代で、そのノリでやってしまった。なにせちゃんとしたメーカー品なのだから、大丈夫、間違いないという認識だった。宅配で電子レンジが届いた時、「わざわざ都心まで行かなくても、こんなに簡単に手に入れられる」とホクホク顔だった。ネットで家電を買うのは初めてだったが、サイトに載っているレビューを見て、このメーカーのものなら大丈夫と確信して、選んだ商品だった。

 ところが、いざ使おうとしたら、うんともすんとも言わない。私は知らなかったのだが、電子レンジは、製造過程で付いた余分油を落とすために、使い初めには、「脱臭」という作業が必要だった。それで、取扱説明書に従って、ボタンを押したのだが、すぐに止まってしまって、パネルにエラーが表示された。何度やっても駄目なので、もう「脱臭」はいいやと諦めて、今度は「温め」のボタンを押してみるが、やはりこちらも途中で止まってしまってできない。果たして、こんなことがあっていいのだろうか、と取扱説明書の「故障だと思ったら」のページを注意深く読んでみた。

 こんなこと信じたくはないが、どうやら不良品を買ってしまったようだ。となると、販売店に問い合わせるしかないが、運が悪いことにあいにくの3連休の初日だった。電話をしてみるが「ただ今の時間は営業しておりません」の虚しいテープ音が流れるだけだった。仕方がない、ネットなのだから、やはりメールでしか対応して貰えないのかと諦めて、「今、とても困っています」と赤裸々な表現を使ってメールを書いた。すると、すぐに返信をくれたのは良かったのだが、商品を壊れない程度に梱包して送るように言われる。こちらとしては、すぐにでも送りたいのに、あちらは「当社の3営業日以降に引き取りたい」とのこと。つまり、今が土曜日とすると、早くて来週の木曜日にしか引き取りに来てもらえないのだ。文句を言いたいのをグッと我慢して、販売店の指示に従った。

 当日、佐川急便の人が来てくれて、無事送ることができた。その際少し意外に思ったのは、引き取りに来てくれた人が女性でしかも外国人だったことだった。どこの業界も人手不足と言われているが、まさか宅急便にまで外国人が進出してきたことに少し面食らってしまった。まあ、それは余分なことだが、それよりも私には一つ気がかりなことがあった。それは電子レンジを引き取ってもらって、1週間以上たった今も、何も連絡がないことだった。せめて、「今日引き取って、メーカーに修理に出しました」ぐらいのことは連絡してくれてもいいのではないかと、贅沢な?ことを要求していた。こんなとき、家電店ならそれなりの対応をしてくれたのではないか、いや、それよりも、新品の電子レンジが不良品だなんてことはあるわけない、とも思った。

 実を言うと、私はこの不測の事態をいとも簡単に考えていた。つまり、新品の商品が明らかに不良品なのだから、新しいものに取り換えてもらえるだろうとばかり思っていた。なので、すぐに新品が送られてきて、万事解決すると。どうやら、そんな考えは甘かったようだ。どう考えてみても、取り換えではなく、修理なのだ。それでもいいので、返却日がいつぐらいになるのか、教えて貰いたい。なぜなら、来週には旅行に行く予定があるからで、日常生活とサヨナラする至福の時間に浸ることにしているから。パソコンなんて、もちろん置いて行くし、他のメールも一切どうでもよくなる。

 気になったので、こちらから販売店にメールしてみるが、なかなか返事がもらえない。やっと返事が来たかと思ったら、なんと、メーカーと「情報が共有できないので、返答しかねる」との意味不明な答えが返ってきた。”果報は寝て待て”と言わんばかりに、じっと待つことを強いるのだ。本当のことを言うと、電子レンジを段ボールに入れる際に、少し擦っただけで、塗装が剥がれるような代物はいらないと、内心思っているのだが。

 

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