人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

永久に使える洗濯機

そんなの、あったらいいなあ、を実現

 日経の朝刊の一面にある、コラム『春秋』を読んでいたら、”永久に使える洗濯機”と書いてあった。一瞬、そんなバカなと思い、それでも読み進めていくと、確かにそれは存在していた。洗濯機は滅多に壊れないが、一度壊れたら修理して使う人など滅多にいない。たとえ、修理して使いたいとこちらが望んだとしても、メーカーに部品がないから無理だと断られて、諦めざるを得ないのが現実だ。そう言えば、たしか、ips細胞の作製に世界で初めて成功してノーベル賞を受賞した山中伸弥教授は、その点においてやはり違う。何が違うかというと、洗濯機が壊れたら自分で直してしまう方だからだ。ふ~ん、そんなことができるんだと、あまりの対応能力の違いに呆然とするしかない。

 それはさておき、この永久に使える洗濯機は、製造元が、修理の部品を永久に提供すると言うから素晴らしい。今どきそんなことをしていたら、儲からないのではと揶揄してしまいそうだが、それだからこそ、海外から注目されているそうだ。製造元は広島にある業務用洗濯機の中小企業で、「そのサービスと製品の耐久性が人気を呼び、海外から注文が相次いでいる」という。「米国で”フォーエバーマシン”の異名を持つ」とのことで、部品の保存にはコストがかかるのにも関わらず、それでも人の手によって”永久”を可能にしようとする姿勢は特筆すべきだ。

 この永久に使える洗濯機の記事は日経の電子版で見つけたそうで、まさに”そんなものあったらいいなあ”と言うべき製品だ。コラムを読んでなんだかうれしくなってしまうのは私だけではないだろう。できれば、自分の目でその驚くべき製品について書かれた記事を読んで見たかった。残念というしかない。

 さて、洗濯機と同様に長年使い続ける電気製品の筆頭に挙げられるのは言うまでもなく冷蔵庫である。この冷蔵庫で悩ましいのは、製氷機の問題で、うちの冷蔵庫は10年を過ぎた頃から、毎夏になると、ストを起こした。突然製氷機能をストップし、うんともすんとも言わなくなった。仕方がないので、電気屋さんを呼んで修理してもらっていた。だが、そのうち、それさえも面倒臭くなって、放りっぱなしにしていた。たかが製氷機のためにいちいち電気屋さんに電話するのが嫌になった。要するに、スーパーで買って来た製氷皿3個をできる限り活用し、手動で何とかし、もう製氷機のことなど見放していたのだ。もう製氷機なんてどうでもいいか、と思っていたある日、突然製氷機がウィ~ンと唸った。あれ?この音は何?と訝しく思ったが、試しに給水の容器に水を入れてセットしてみた。すると、どうだろう、数時間後にはガチャン、ガチャンという音が響いて、急いで引き出しを開けてみると、なんと立派な氷ができていた。まるで、死人が生き返ったような出来事にこちらは目をぱちくりした。あれから、2,3年ぐらい経つが、うちの製氷器は調子に乗って、使い続けると、ストを起こす。まともな氷を期待し、氷が溜まっているはずの引き出しを開けると、そこは氷が張っているだけの状態だったこともあった。ただ上から下へ水が流れただけ。任務の遂行がもう叶わないようだ。引退勧告をして、今までご苦労さんと労ってやる。

 もう製氷機のことは諦めた、つもりだった。ところが驚くべきことに今も製氷機は現役で活躍している。こちらとしては、頑張りすぎないでねと思いながら使わせてもらっている。もちろん、調子の悪い時もあるが、いつものことなので気にもしない。当分は今の冷蔵庫と何とかうまく付き合っていきたいと思っている。

 冷蔵庫でふと思い出したのは、お笑い芸人の厚切りジェイソンのことだ。ジェイソンさんは30代の終りというのに、早々とFIREを達成した方として有名だが、冷蔵庫の製氷機が壊れたときの彼の対応が際立っている。普通は修理を頼むか、あるいは新しい冷蔵庫を買うかのどちらかだと思うが、ジェイソンさんは違った。なんと、冷蔵庫から製氷機を取り外してしまったのだ。製氷機などなくても、ちゃんと冷蔵庫は使えるのだから、何の問題もない。逆に、これで新しい冷蔵庫を買わなくて節約になってよかったと奥さんと喜んだと言うから余計に仰天してしまった。

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